シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10260407 

△デザイン理論Ⅱ (建築という世界から見えてくること)
Design Theory II
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  松隈 洋

<概要/Course Content Summary>

本講義では,身近な存在であるにもかかわらず,さほど意識的にとらえられてはいない建築という世界を取り上げ,その現代へと至る歴史的な経緯や特質を紹介する中から,広く建築を通した文化理解を深めることを目指している。中でも,直接,現代の都市と建築の基盤を形作ったモダニズム建築(Modern Architecture)と呼ばれる,1920年代から1960年代まで世界的なスケールで展開された潮流に焦点を当ててみたい。そして,そこから,ポスト・モダニズムや現代へと続く建築思想を概観する中から,現代の建築や都市の抱えている問題点とこれからの課題について考えてみたい。

ル・コルビュジエ「チャンディガール州庁舎」1958年

前川國男「京都会館」1960年

谷口吉生「東京都葛西臨海水族園」1989年

<到達目標/Goals,Aims>

現代の生活環境を形づくっている建築をどのように捉えたら良いのかについて,基礎的な知識となるモダニズム建築の歴史を理解することができるようになる。また,そのことを通して,現代の建築や都市が抱える問題点を広く理解するために必要な視点を得ることができるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) 1920年代から1970年代までの日本のモダニズム建築を振り返る―DOCOMOMO Japan選定建築を通して  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で随時紹介する建築を実際に訪ねてほしい。参考文献にも触れてほしい。 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 時間の中の建築,建築の中の時間と前川國男の問い―モダニズム建築を歴史の中で考え,前川國男が掲げたテーマを検証する  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で随時紹介する建築を実際に訪ねてほしい。参考文献にも触れてほしい。 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) ル・コルビュジエとは誰か―2016年にユネスコ世界文化遺産に選ばれた彼の建築が切り拓いた意味  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で随時紹介する建築を実際に訪ねてほしい。参考文献にも触れてほしい。 
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) アントニン・レーモンドの仕事―日本に何を発見したのか  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で随時紹介する建築を実際に訪ねてほしい。参考文献にも触れてほしい。 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 前川國男の建築①―ル・コルビュジエに師事した建築家の前半生  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で随時紹介する建築を実際に訪ねてほしい。参考文献にも触れてほしい。 
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) 前川國男の建築②―戦後の活動を通して  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で随時紹介する建築を実際に訪ねてほしい。参考文献にも触れてほしい。 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 坂倉準三と吉阪隆正―ル・コルビュジエに師事した二人の建築家の仕事  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で随時紹介する建築を実際に訪ねてほしい。参考文献にも触れてほしい。 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) 丹下健三の建築―戦後建築界を牽引した建築家の求めたもの  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で随時紹介する建築を実際に訪ねてほしい。参考文献にも触れてほしい。 
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) 吉村順三の建築―レーモンドに師事した建築家の仕事  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で随時紹介する建築を実際に訪ねてほしい。参考文献にも触れてほしい。 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) モダニズム建築が切り拓いた意味とバウハウスの理念  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で随時紹介する建築を実際に訪ねてほしい。参考文献にも触れてほしい。 
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 北欧モダニズムの遺産―フィンランドの国民的建築家アルヴァ―・アールトを中心に  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で随時紹介する建築を実際に訪ねてほしい。参考文献にも触れてほしい。 
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) 村野藤吾のヒューマニズム建築思想  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で随時紹介する建築を実際に訪ねてほしい。参考文献にも触れてほしい。 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) ルイス・カーンの建築―20世紀後半を代表するアメリカの建築家の求めたもの  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で随時紹介する建築を実際に訪ねてほしい。参考文献にも触れてほしい。 
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) ポスト・モダニズムの建築と理論―何が問われたのか  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で随時紹介する建築を実際に訪ねてほしい。参考文献にも触れてほしい。 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) 現代建築の課題  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で随時紹介する建築を実際に訪ねてほしい。参考文献にも触れてほしい。 

モダニズム建築の保存や現代建築の問題点など,近年の動きを紹介する場合があり得るので,一部,授業計画を変更する可能性がある。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  30%  出席と理解度を確認するために小文を講義時間中に随時課す予定 
期末レポート試験・論文  70%  講義を踏まえた自由研究的なレポート課題を出す予定 

講義を聴く前と聴いた後で,建築に対する見方や考え方がどのように変わったのか,建築の世界を知ることで何が見えて来たのか,その理解度を評価したい。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
96 33.3 19.8 0.0 0.0 46.9 0.0 1.9

<参考文献/Reference Book>

松隈 洋  『建築の前夜 前川國男論』(みすず書房、2016)私の主著です。大部ですが,ル・コルビュジエに師事した前川國男の戦前期の建築思想を詳細に検証しました。モダニズム建築思想を理解する上でも,是非読んでほしい本です。 
 

松隈 洋  『ル・コルビュジエから遠く離れて-日本の20世紀建築遺産-』(みすず書房、2016)同じく私の研究の中心を成すモダニズム建築に関する論考集です。 
 

松隈 洋  『モダニズム建築紀行-日本の戦前期・戦後1940~50年代の建築-』(六耀社、2016)同じく日本各地に残るモダニズム建築について記した論考集です。本書を読んで現地を訪ねてほしいです。 
 

松隈 洋  『モダニズム建築紀行-日本の1960~80年代の建築-』(六耀社、2016)同上の続きです。時代の移り変わりと建築の変化が分かる内容です。 
 

松隈 洋  『残すべき建築-モダニズム建築は何を求めたのか-』(誠文堂新光社、2013)同じく,全国各地のモダニズム建築について紹介した論考集です。 
 

松隈 洋  『坂倉準三とはだれか』(王国社、2011)ル・コルビュジエに師事した坂倉準三についての論考集です。前川國男との違いを理解できます。 
 

松隈 洋  『近代建築を記憶する』(建築資料研究社、2005)モダニズム建築について初めてまとめた単著です。さまざまな視点で考察しています。 
 

松隈 洋  『ルイス・カーン-構築への意志-』(丸善、1997)アメリカの20世紀を代表する建築家の仕事を紹介する本で,初の単著です。 
 

槇 文彦・松隈 洋(聞き手)  『建築から都市を,都市から建築を考える』(岩波書店、2015)現代を代表する建築家にインタビューした本です。話し言葉で分かりやすい内容です。 
 

蓑原 敬・松隈 洋・中島直人  『大髙正人の仕事』(エックスナレッジ、2014)前川國男に師事した建築家の仕事を紹介した初めての本です。 
 

松山 巌  『建築はほほえむ-目地 継ぎ目 小さき場-』(西田書店、2004)優しい言葉で建築とは何かを深く問いながら語りかけてくれる本です。 
 

松家仁之  『火山のふもとで』(新潮社、2012年)編集者として多くの建築家に接した経験を元に書かれた建築家を主人公とする小説で,建築家の仕事の奥行きを実感できる感動的な本です。 
 

<備考/Remarks>

講義はイントロダクションから現代の課題まで一続きの構成として計画しているので,できるだけ続けて履修し,順次理解を深めていってほしい。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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