シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10260068 

△美学特論(2) (真正性の分析美学)
Topics in Aesthetics (2)
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  杉山 卓史

<概要/Course Content Summary>

この授業では,「真正性(authenticity)」という概念について,主に分析美学の議論を参照しつつ検討します。この概念は,芸術作品の真贋問題や同一性をめぐる存在論的問題における基礎概念の一つですが,世界遺産の登録に必須の要件であるなど,文化遺産保護という実践的な領域においても重要な役割を演じています。近年,この概念が分析的な手法を用いて活発に議論されていますが,その成果は必ずしも遺産保護の現場には還元されていません。本授業では,理論と実践の双方に目を配りながら,「真正性」概念について考察します。前半は担当者が講義を行い,後半は参加者全員で関係する英語文献を講読して議論したいと思います。

<到達目標/Goals,Aims>

・美学に特有の思考方法に習熟し,それを自分で応用することができる。 
・美学の原典を正確に理解し,それに基づいて学術的な議論をすることができる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 1  (内容/ Contents) イントロダクション  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の復習と参考文献の閲読 
(実施回/ Week) 2  (内容/ Contents) 講義①遺産保護行政における「真正性」  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の復習と参考文献の閲読 
(実施回/ Week) 3  (内容/ Contents) 講義②リーグルの「経年価値」  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の復習と参考文献の閲読 
(実施回/ Week) 4  (内容/ Contents) 講義③ベンヤミンの「アウラ」  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の復習と参考文献の閲読 
(実施回/ Week) 5  (内容/ Contents) 講義④分析美学とは何か  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の復習と参考文献の閲読 
(実施回/ Week) 6  (内容/ Contents) 講義⑤グッドマンの贋作論  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の復習と参考文献の閲読 
(実施回/ Week) 7  (内容/ Contents) 講義⑥サゴフの「クラス」説  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の復習と参考文献の閲読 
(実施回/ Week) 8  (内容/ Contents) 講義⑦ダットンの進化論的観点からの真正性  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の復習と参考文献の閲読 
(実施回/ Week) 9  (内容/ Contents) 講読①コースマイアー『物』第3章序  (授業時間外の学習/ Assignments) 講読テキストの予習 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 講読②コースマイアー『物』第3章「情動とその対象」  (授業時間外の学習/ Assignments) 講読テキストの予習 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 講読③コースマイアー『物』第3章「別のものに取って代わる」  (授業時間外の学習/ Assignments) 講読テキストの予習 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 講読④コースマイアー『物』第3章「部分と全体」  (授業時間外の学習/ Assignments) 講読テキストの予習 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 講読⑤コースマイアー『物』第3章「情動と美的反応」  (授業時間外の学習/ Assignments) 講読テキストの予習 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 講読⑥コースマイアー『物』第3章「要約」  (授業時間外の学習/ Assignments) 講読テキストの予習 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) まとめと補足  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の復習と参考文献の閲読 

受講者の理解度や興味関心に応じて授業計画を変更する場合があります。特に,後半の講読の進度は,受講者の人数や英文読解能力によって大きく異なるので,あくまで「目安」として読んでください。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  40%  前半の講義篇では,毎回,授業内容への質問や意見等を口頭ないし書面(小レポート)で提示してもらうことにより,どれだけ高い問題意識を持って授業に臨んだかを評価します。 
期末レポート試験・論文  20%  授業内容にかかわる問題を自分で立てて学術論文の形式で表現するレポートか,講読テキストに関係する英文の翻訳か,いずれかを課し,授業で培った思考力または読解力を評価します。 
クラスで発表など  40%  後半の講読篇では,テキストの予習状況,理解度,議論への参加度を評価します。 

<テキスト/Textbook>

Carolyn Korsmeyer , Things :  In Touch with the Past .   (Oxford University Press, 2019) .  ISBN:978019090487 

 

後半の講読篇で使用します。講読箇所をコピーして配布します。

<参考文献/Reference Book>

アロイス・リーグル(尾関幸訳)  『現代の記念物崇拝-その特質と起源-』(中央公論美術出版、2007)ISBN:9784805505595 
 

ヴァルター・ベンヤミン  『複製技術時代の芸術作品』複数の日本語訳があります。詳細は授業中に紹介します。 
 

ネルソン・グッドマン(戸澤義夫・松永伸司訳)  『芸術の言語』(慶応義塾大学出版会、2017)ISBN:9784766422245 
 

その他,授業中に随時紹介します。

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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