シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


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△英語学特論(9)
Special Topics in English Linguistics (9)
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  福島 祥行

<概要/Course Content Summary>

ソシュールの指摘を俟つまでもなく,言語は「記号」のいっしゅである。したがって,言語についてかんがえることは,記号についてかんがえることにほかならない。だが,記号とは,コミュニケーションのためのアイテムであり,コミュニケーション=社会的相互行為なくしては,記号はイミをもたない――というよりも,そもそも「記号」たりえない。つまり,記号についてかんがえることはコミュニケーションについてかんがえることなのだ。 
かくして,この授業では,記号をめぐり,コミュニケーションや会話分析,意味,独我論,意図の有無などにかんして,言語学,哲学,心理学,社会学,人類学,脳生理学などにおけるさまざまの思考をたどりつつ,思弁してもらうことになる。

<到達目標/Goals,Aims>

記号や言語をはじめ,コミュニケーション論,相互行為分析にまつわるもろもろについて多面的に思弁できるようになる。また,そのつどの自己の学びについてふりかえりと,つぎへのステップをかんがえる習慣がつく。くわえて,他の学びと関連づけることにより,この授業についての学びを深めることができるようになることを目標とする。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) 「記号」とはなにか?  (授業時間外の学習/ Assignments) ふりかえりと,さらなる探究。 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 「コミュニケーション」とはなにか?  (授業時間外の学習/ Assignments) ふりかえりと,さらなる探究。 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) シャノン&ウィーヴァーの伝達モデル  (授業時間外の学習/ Assignments) ふりかえりと,さらなる探究。 
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) オースチンと言語行為論  (授業時間外の学習/ Assignments) ふりかえりと,さらなる探究。 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) グライスと会話の協調原理  (授業時間外の学習/ Assignments) ふりかえりと,さらなる探究。 
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) スペルベル&ウイルソンの関連性理論  (授業時間外の学習/ Assignments) ふりかえりと,さらなる探究。 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 2つのコミュニケーション・モデル  (授業時間外の学習/ Assignments) ふりかえりと,さらなる探究。 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) ヴィトゲンシュタインと独我論  (授業時間外の学習/ Assignments) ふりかえりと,さらなる探究。 
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) 「見る」ことの社会性  (授業時間外の学習/ Assignments) ふりかえりと,さらなる探究。 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) 「意図的行為」否定説  (授業時間外の学習/ Assignments) ふりかえりと,さらなる探究。 
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 相互行為(インタラクション)とはなにか?  (授業時間外の学習/ Assignments) ふりかえりと,さらなる探究。 
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) ガーフィンケルとエスノメソドロジー  (授業時間外の学習/ Assignments) ふりかえりと,さらなる探究。 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 会話分析の実際とさまざまな発話例 
 
(授業時間外の学習/ Assignments) ふりかえりと,さらなる探究。 
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) ロボットに「こころ」はあるか?  (授業時間外の学習/ Assignments) ふりかえりと,さらなる探究。 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) ふたたび「記号」とはなにか? まとめとふりかえり。  (授業時間外の学習/ Assignments) ふりかえりと,さらなる探究。 

なお,それぞれの内容は密接に連関・連続しているものであるため,截然と分かたれるものではない。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  60%  積極的に他者と交流し,その回の講義内容にかんして妄想をたくましくしたか。 
クラスで発表など  10%  グループワークの内容について,的確に発表できているか。 
提出物  20%  毎回の授業内容にかんして,積極的に参加できているか。授業内容をきっかけに,いかに妄想できているか。 
その他(具体的に)  10%  教員や他者にたいして,積極的にコミュニケーションをはかれているか。 

授業とは,いうまでもなく《知識》を「注入」する場ではない。自己をはじめとする「学びの場」,すなわちコミュニケーションの現場への参与によって《知識》を「創発」する場である。とうぜんのことながら,そこに参与し,相互行為することなしには,いかなる評価もありえないことに留意されたい。

<参考文献/Reference Book>

ウンベルト・エコ  『記号論入門』(而立書房、1997)
 

西阪仰  『相互行為分析という視点-文化と心の社会学的記述-』(金子書房、1997)
 

好井裕明・西阪仰・山田富秋編  『会話分析への招待』(世界思想社、1999)
 

前田泰樹・水川喜文・岡田光弘編  『エスノメソドロジー』(新曜社、2007)
 

木村大治・高梨克也・中村美知夫編  『インタラクションの境界と接続』(昭和堂、2010)
 

ダニエル・C・デネット  『スウィート・ドリームズ』(NTT出版、2009)
 

マイケル・S・ガザニガ  『〈わたし〉はどこにあるのか-ガザニガ脳科学講義-』(紀伊國屋書店)
 

岡田美智男  『〈弱いロボット〉の思考-わたし・身体・コミュニケーション-』(講談社、2017)
 

定延利之  『コミュニケーションへの言語的接近』(ひつじ書房、2016)
 

ゲルオグ・ノルトフ  『脳はいかに意識をつくるのか』(白揚社、2016)
 

<備考/Remarks>

授業には,毎回グループワークが課される。また,毎回提出するシートは,次回の冒頭で返却され,最終回には,すべてのポートフォリオ・シートをもとにふりかえりをおこなってもらう。したがって,ポートフォリオ・シートはたいせつに保存する必要がある。 
なお,発達障がい等により,グループワークがおこない難いひとは,事前に申し出てもらえれば,その点を考慮する。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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