シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10210848 

△日英語対照研究Ⅰ
Contrastive Studies of English and Japanese I
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  菊田 千春

<概要/Course Content Summary>

この授業では,大きく3つの点に分け,英語や日本語の違いを言語学という視点からとらえていきます。まず第1に構造の違い,第2に語彙,そして第3にコミュニケーションの特徴です。英語を初めて勉強しだした頃,どのようなことに戸惑ったでしょうか?また,学習していく中で,どのようなことを理解するのに苦労したでしょうか?その戸惑いや苦労は,英語の特殊性を映している,というよりは,慣れ親しんだ母語である日本語との違いによるものである場合が少なくありません。ですから,その戸惑いは,よく見つめると,英語という言語の文法構造や表現のしくみと同時に,日本語のしくみも教えてくれます。この授業では,最初にアンケートクイズを行い,日本人が間違いやすい英語の項目を確認した後,その間違いの裏にあるものを考えます。このような作業を通して,特に日本人に英語を教えることや,また英語話者に日本語を教えることに興味がある人が知っておくべき,各言語の文法特性に対しての知識を深めていきます。また,日本語と英語の違いについては,「日本語は特殊だ」とか,外国語といえばすべて英語であるかのように考えるナイーブな偏見もよく見られます。この授業では,言語学に根ざし,英語と日本語を比較しながらも,人間の言語とはどのようなものか,という広い視野を持ちながら日英語の違いを眺めたいと思います。毎回の授業でアンケートやクイズを行い,一方的に講義を聞くだけではなく,一緒に日本語や英語の違いについて考えることで理解を深めていきます。  
  
英語のしくみに素朴な疑問を持ったことのある人,日本語と英語の違いに関心のある人,また,日本語や英語以外の言語にも関心のある人,日本人に英語を教えること,外国人に日本語を教えることに関心のあるなどの受講を期待します。

<到達目標/Goals,Aims>

言語学という視点から日本語と英語の違いを学ぶことで,学生は日本語や英語がそれぞれどのような言語であるのかを正しく理解しとらえることができるようになる。日本語は特殊だ,あるいは,英語は変わっている,というような偏見を脱し,日本語と英語の違いと共通点を客観的に知ると共に,日英語だけを知るのではなく,人間の言語全体にも視野を広げる。具体的には:  
構造:日本語と英語の構造的な違いを理解し,日本人が間違いやすい点について,なぜ間違いやすいのかがわかるようになる。また,自らも間違いをしないようになる。  
語彙:日本語と英語の語彙が1対1に対応するものではないことを理解する。辞書の訳語だけに頼ることの問題を認識する。  
コミュニケーション:日本語と英語のことば遣いに見られる相違点と類似点を理解する。特に差異が強調されやすい問題を取り上げ,コミュニケーション方略としての共通点に目を向けることで,偏見を捨て,正しい理解を持つようになる。 

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) General Introduction:日本語と英語とその他の言語   (授業時間外の学習/ Assignments) 内容を復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 日本語と英語の構造をめぐって(1)主語と主題 他(+アンケート結果概覧)   (授業時間外の学習/ Assignments) 内容を復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 日本語と英語の構造をめぐって(2)名詞?形容詞?  (授業時間外の学習/ Assignments) 内容を復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 日本語と英語の構造をめぐって(3)スルとナル  (授業時間外の学習/ Assignments) 内容を復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 日本語と英語の構造をめぐって(4)関係節と名詞修飾  (授業時間外の学習/ Assignments) 内容を復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 日本語と英語の構造をめぐって(5)受動態  (授業時間外の学習/ Assignments) 内容を復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 日本語と英語の構造をめぐって(6)時制  他  (授業時間外の学習/ Assignments) 内容を復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 日本語と英語の構造をめぐって(7)まとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 内容を復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 日本語と英語の語彙をめぐって(1)訳せない言葉?:意味の広がり   (授業時間外の学習/ Assignments) 内容を復習 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 日本語と英語の語彙をめぐって(2)外来語,カタカナ語の落とし穴  (授業時間外の学習/ Assignments) 内容を復習 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 日本語と英語の語彙をめぐって(3)オノマトペ  (授業時間外の学習/ Assignments) 内容を復習 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 日本語と英語のコミュニケーション(1)英語に敬語はあるのか  (授業時間外の学習/ Assignments) 内容を復習 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 日本語と英語のコミュニケーション(2)英語に男ことば・女ことばはあるのか  (授業時間外の学習/ Assignments) 内容を復習 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 日本語と英語のコミュニケーション(3)その他   (授業時間外の学習/ Assignments) 内容を復習 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 授業の総括,授業内評価   (授業時間外の学習/ Assignments) 内容を復習 
 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  40%  eclassまたはFormsを使ってアンケートや課題などで参加度や理解度を見る。  
レポート試験  20%  提示した課題について,2000字程度のレポートを提出してもらう。 
小テスト 2回  40%  授業で扱った内容を前半と後半に分け,Formsを使ったテストを行う。 

課題の提出や小テストは受験期間を設ける。1週間以上の期間を設けるが,期限が近くなるとアクセスしにくくなることがある。また他の不測の事態も起こりうるので,必ず自分の責任で余裕をもって計画的に行うこと。遅れたものは受け付けない。問題がある場合には,必ず事前に相談すること。

<テキスト/Textbook>

テキストは使用しない。

<参考文献/Reference Book>

池上 嘉彦 (著)  『英語の感覚・日本語の感覚 -ことばの意味のしくみ -』(NHK出版、2006)
 

その他の参考文献は必要に応じて適時授業時に指示する。

<備考/Remarks>

授業はパワーポイントの動画を視聴する形で行う。パワーポイントを視聴するリンクは,授業日にDUETを通じて伝える。毎回のアンケート/課題や小テストの受験方法については,別途,DUETおよびeclassで連絡する。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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