シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


30204001 

文化史学の理論
Theory of Cultural History
4単位/Unit  通年/All year  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  西岡 直樹

<概要/Course Content Summary>

「パパ,だから歴史は何の役に立つのか説明してよ。」(MarcBloch) 
「なるほど,歴史家は具体的な歴史研究をその生命とするものであらうが,如何なる歴史叙述も,理論なく方法なしには決して書かれることは出来ないし,また実際書かれてもゐない。歴史家の歴史的研究のなかには,意識せられると否とに関はりなく,彼の理論・方法が働いてゐなければならない。」(石田一良) 
本講は,この1つの問いと1つの命題を出発点とする。 
もし,あなたが何ももたず歴史を研究していると思っていたとしても,何もなく研究はできない。また,あなたが何かのために研究してはいないと思っていたとしても,研究は何かのためにある。 
本講は,歴史学の研究者への第一歩を踏み出したあなたに,「あなたの歴史学」を「自覚」していただく,あるいはすでに自分の理論や方法を保持しているあなたには,それをより鋭利に「研ぎすまして」いただくためにある。 
そのため,本講では,「文化史学」という,あなたの所属する専攻が有する理念・理論・方法・実践(春学期:「文化史学と戦後歴史学」),また現在「新しい文化史」と呼ばれる,歴史学の動向(秋学期:「現代歴史学と『新しい文化史』」)に向きあっていただく。そのことによって,「あなたの歴史学」が自覚・研磨されることを期待する。 
あなたは,この1年後,どのようなところに立っているのでしょうか?

<到達目標/Goals,Aims>

「文化史学」という歴史探究の領域と理念・方法,「新しい文化史」の研究動向と歴史探究の視座・方法を把握し,理解すること。併せて,「自らの歴史学」を構築していく第一歩を踏み出すこと。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) はじめにー何のために?  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の整理。関連する歴史学の理論・方法への接近。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 2つの「文化史」ー戦後日本の歴史学のなかで  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する歴史学の理論・方法への接近。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 石田一良『大世界史』12を読む(1)ー院政~関東の鴻宝  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する研究への視野の拡大。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 石田一良『大世界史』12を読む(2)ー蒙古襲来~応仁文明の乱  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する研究への視野の拡大。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 石田一良『大世界史』12を読む(3)ー歴史の峠  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する研究への視野の拡大。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 戦後日本の通史叙述と石田一良『大世界史』12  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する研究への視野の拡大。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 石田一良『文化史学・理論と方法』を読む(1)ー歴史的感覚とは何か  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する歴史学の理論・方法への接近 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 石田一良『文化史学・理論と方法』を読む(2)ー歴史的思考とは何か  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する歴史学の理論・方法への接近。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 石田一良『文化史学・理論と方法』を読む(3)ー歴史学は何を求めるか  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する歴史学の理論・方法への接近。 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 石田一良『文化史学・理論と方法』を読む(4)ー歴史学の方法とは何か  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する歴史学の理論・方法への接近。 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 石田一良『文化史学・理論と方法』を読む(5)ー歴史学と文化史学  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する歴史学の理論・方法への接近。 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 石田一良『文化史学・理論と方法』を読む(6)ー歴史をみる眼  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する歴史学の理論・方法への接近。 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 石田一良『文化史学・理論と方法』を読む(7)ー美術史学と文化史学  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する歴史学の理論・方法への接近。 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 石田一良『文化史学・理論と方法』を読む(8)ー思想史学と文化史学  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する歴史学の理論・方法への接近。 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 文化史学と戦後歴史学  (授業時間外の学習/ Assignments) 文化史学と戦後歴史学に対する立ち位置の模索。 
(実施回/ Week) 16  (内容/ Contents) 秋のはじめにーあなたは?  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の整理。関連する史学史への接近。 
(実施回/ Week) 17  (内容/ Contents) 戦後日本の歴史学  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する史学史への視野の拡大。 
(実施回/ Week) 18  (内容/ Contents) 戦後歴史学と現代歴史学  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する史学史への視野の拡大。 
(実施回/ Week) 19  (内容/ Contents) ピーター・バーク『文化史とは何か』を読む(1)ーピーター・バークの仕事  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する史学史への視野の拡大。 
(実施回/ Week) 20  (内容/ Contents) ピーター・バーク『文化史とは何か』を読む(2)ー偉大なる伝統  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する史学史への視野の拡大。 
(実施回/ Week) 21  (内容/ Contents) ピーター・バーク『文化史とは何か』を読む(3)ー文化史の諸問題  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する史学史への視野の拡大。 
(実施回/ Week) 22  (内容/ Contents) ピーター・バーク『文化史とは何か』を読む(4)ー歴史人類学の時代  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する史学史への視野の拡大。 
(実施回/ Week) 23  (内容/ Contents) ピーター・バーク『文化史とは何か』を読む(5)ー新たなパラダイム  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する史学史への視野の拡大。 
(実施回/ Week) 24  (内容/ Contents) ピーター・バーク『文化史とは何か』を読む(6)ー表象から構築へ  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する史学史への視野の拡大。 
(実施回/ Week) 25  (内容/ Contents) ピーター・バーク『文化史とは何か』を読む(7)ー文化論的転回を超えて?・結論  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する史学史への視野の拡大。 
(実施回/ Week) 26  (内容/ Contents) ピーター・バーク『文化史とは何か』を読む(8)ー21世紀の文化史  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。関連する史学史への視野の拡大。 
(実施回/ Week) 27  (内容/ Contents) あなたの歴史学(1)ー受講者①~③の立ち位置  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。自己の歴史学における立ち位置の模索。 
(実施回/ Week) 28  (内容/ Contents) あなたの歴史学(2)ー受講者④~⑥立ち位置  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。自己の歴史学における立ち位置の模索。 
(実施回/ Week) 29  (内容/ Contents) あなたの歴史学(3)ー受講者⑦~⑨の立ち位置  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の準備,整理。自己の歴史学における立ち位置の模索。 
(実施回/ Week) 30  (内容/ Contents) 現代歴史学と文化史学  (授業時間外の学習/ Assignments) 現代歴史学と文化史学に対する立ち位置の模索。 

基本的には,上記のような講読と討論を中心に進める。ただし,授業の進度や受講者の理解度などに応じて,随時変更を加えていくことになる。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

期末レポート試験(単位論文)  100%  現代歴史学と文化史学に対する自己の歴史学の立ち位置の確立度。立ち位置の論理的構築度。 

毎回の準備や討論への主体的参加は,当然の前提である。評価は,単位論文による。

<テキスト/Textbook>

  『文化史学第65号-特集:文化史学とは-』 (2009年11月)

 

石田一良  『大世界史第12巻-日本の開花-』 (文芸春秋、1968年)

 

石田一良  『文化史学・理論と方法・後刻版』 (ぺりかん社、1990年)

 

  『思想第1048号-特集:戦後日本の歴史学の流れ-』 (2011年8月)

 

  『二宮宏之著作集第4巻所収-戦後歴史学と社会史-』 (岩波書店、2011年)

 

ピーター・バーク  『文化史とは何か・増補改訂版』 (法政大学出版局、2010年)

 

  『思想第1074号-特集:ピーター・バークの仕事-』 (2013年10月)

 

<参考文献/Reference Book>

教室で指示する。しかし,テキストを読解するためには,それら以外に,当然ながら自らがさまざまな文献に出会わなくてはならない。

 

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