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※学期中に内容が変更になることがあります。 | |||||
2020年度
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<概要/Course Content Summary> 「教育」とは,字義通りには,子どもを教え育てるための営みである。どのような時代であろうと,どのような地域であろうと,「教育」がなければ,わたくしたちは,社会を維持できない。わたくしたちが築きあげてきた共同体を保存していこうとする人物がいなければ,その共同体は消滅してしまう。わたくしたちは,ひとびとの集まりのなかで,生命を存続させ,生活を築き,人生を送っている。「教育」の内容にかんする評価を脇に置けば,どのような人種であろうと,どのような民族であろうと,どのような国家であろうと,「教育」は,わたくしたちにとって,いちばん重要な課題である。それゆえ,「教育」についての考えかたの歴史は,古い。そうであるから,「教育」の捉えかたも,その内容に注目すれば,時代とか文化とかの実情に応じて,変遷してきた。「教育」をどのように理解するのか,その視座を二つに大別できる。一つは,「教育」の伝統主義的把握であり,一つは,「教育」にかんする進歩主義的な見かたである。秋学期の「教育哲学史特講Ⅱ」では,とくに進歩主義的な考えかたに着眼して,歴史的な観点から,「教育」の課題を洗いだしていきたい。伝統主義が子どもとは別のところに存立する普遍的価値を重視するのにたいして,進歩主義は,子どもの興味とか関心とかに力点を置く。すなわち,進歩主義は,子どもたちの自発的な学びをいっそう重視し,子どもの内的な発露としての成長を教育の目的に据える。このような進歩主義を主唱する立場として,プラグマティズムを挙げられる。プラグマティズムを代表するのは,言うまでもなく,デューイである。デューイは,人間を,環境に働きかけていくという能動的な局面と,環境からの働きを受けとめるという受動的な局面とを備えた有機体とみなす。そのうえで,デューイは,有機体としての人間と環境との相互的な作用が惹きおこすできごとを経験と呼ぶ。このような経験は,有機体と環境とのあいだに生じる不均衡を均衡にもたらすための運動にほかならない。たとえば,気温が高くなれば,体温も高くなる。そこに不均衡が露わになるので,わたくしたちのからだは,均衡を保つために,発汗に依って体温を下げようとする。このような観点からすれば,教育は,経験のなかで生起する不均衡を理知的に解消して新たな均衡を獲得していくための有機体的な力能の育成である。具体的には,子どもたちは,さまざまな場面のなかで,いろいろな水準で解決を要求する問題的な状況に遭遇する。これは,子どもたちにとって不均衡な状態である。子どもたちは,それを均衡にもたらすために,みずからが直面している課題を解決して,そうしたなかでどのように行為すべきであるのか,行為の指針を獲得しようとする。それは,新たな習慣の形成であり,プラグマティズムは,そこに子どもの成長を見ようとする。秋学期では,教育にかんするデューイの考えかたに照準を定め,進歩主義の基本的な視点を確認する。その上で,プラグマティズムがほかの立場にたいしてどのような問題を提起しようとしているのか,プラグマティズムの立ち位置を明らかにして,歴史的な観点から,プラグマティズムの視座を評価する。こうした考察を踏まえて,現代の日本が抱えている教育的課題を見さだめる。 <到達目標/Goals,Aims> 【知識】教育に係わる専門的な概念の歴史的な理解が深まること。 <授業計画/Schedule>
授業の進捗の状況によって計画に変更の生じる場合がある。その都度,教室のなかで確認し,状況に応じて計画を見なおす。 <成績評価基準/Evaluation Criteria>
【小テスト】授業の終わりに,授業で提起した課題を整理するために,小テストを毎回実施する。
<参考文献/Reference Book>
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