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※学期中に内容が変更になることがあります。 | |||||
2020年度
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<概要/Course Content Summary> 科学思想史は,科学をどのように捉えるのかという問いを歴史的観点から捉える学問的分野である。しかし,科学的営為を捕捉する視点を獲得するためには,論理学にかんする理解が欠かせない。たとえば,科学的探究でいちばん重要な役割を担っているのは,実験と観察である。わたしたちが遂行できる実験と観察は,有限であるから,実験的検討と観察的洞察によってわたしたちが手に入れる知識は,一定の範囲内で正当化できる情報でしかない。それにもかかわらず,それらをとおして,わたしたちは,一般的言明として定位している法則を立言する。ここには,明らかに,論理的な飛躍がある。すなわち,部分的にしか分かっていないことをどのようにして全体に拡張できるのであろうか。周知のように,これは,帰納(induction)の飛躍である。プラグマティズムの創始者として知られるパースは,帰納を,「なにかが真である数多くの事例から一般化を行なって,同じことが集合全体について真であると推論する」過程として位置づけており,帰納は,部分で理解できた内容を全体におし広げるための推理である。とはいえ,上述のように,実験に基づいて部分で観察した事実を全体に拡大する一般化には,それを正当化する論理的根拠がない。それでは,わたしたちの手元にある,自然にかんする科学的法則は,その真理性をもはや保持していないのであろうか。形式論理学の現代的発展を促したのは,ブールである。ブールは,一つの完成した体系として機能していた古代の形式論理学を数学の代数的手法によって再組織化して,形式論理学の新たな道を拓いた。このような動向からすれば,たしかに,ミルの採った方略は,数学的な厳密さと精確さの点で現代的ではない,と言えもする。しかしながら,演繹も含めてあらゆる推理の本質を帰納と位置づけるミルの視座は,科学が拠ってたつ帰納の意義を解きあかしている。本講義では,論理学の展開と自然科学の展開とに照準を定め,自然科学を把握するしかたの変遷を理解したい。 <到達目標/Goals,Aims> 【知識】科学的理論の形式的構造を,数学と論理学の知見から理解できるようになること。 <授業計画/Schedule>
授業の進捗状況によって授業計画に変更の生じる場合がある。その都度,教室のなかで確認し,状況に応じて授業計画を見なおす。 <成績評価基準/Evaluation Criteria>
【小テスト】授業のおわりに,その内容を要約して各自の考察を総括する。 <テキスト/Textbook> 授業のなかで指示する。 <参考文献/Reference Book> 随時紹介する。 |
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お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
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