2020年度

＜概要/Course Content Summary＞

『ハディース』は預言者の言行，それに預言者の教友たちの言行をまとめた記録です。これらは『クルアーン』と，イスラームという宗教の理解を助ける解説として信徒の信仰実践の助けとなってきました。欧米の東洋研究家（オリエンタリスト）たちは当初『クルアーン』も『ハディース』も共に預言者ムハンマドの口から伝えらえたという点に着目し，この二つの内的関係を研究するためにも『ハディース』は重視されました。イスラーム教徒が言うような『クルアーン』は神の言葉，『ハディース』は人間ムハンマドの言葉として欧米で研究されるようになったのは近年ですが，その結果，『ハディース』の伝承経路に疑義を提示することで預言者ムハンマドやイスラームを批判する傾向も生まれました。『ハディース』はイスラーム法学の枠組みでまとめられており，啓示状況，礼拝前の水での清めと礼拝規定，そして喜捨，断食，巡礼などの規定，さらに売買取引法体系，家族法，信仰についてなど分野別に収録されています。本講義では『クルアーン』解釈を支えるハディースを検討します。

＜到達目標/Goals,Aims＞

『ハディース』の信仰学に関する部分を検討し，イスラームという宗教に対する理解を深める。

＜授業計画/Schedule＞

＜成績評価基準/Evaluation Criteria＞

＜テキスト/Textbook＞