シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


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△ユダヤ人の祈りの演習 (現代ユダヤ教における祈りの実践)
Seminar: Jewish Prayer -Prayer practice in Modern Judaism-
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  演習/Seminar

  石黑 安里

<概要/Course Content Summary>

 ユダヤ教は,観念的に神を信じる宗教ではなく,神によって課された戒律を実践することが重んじられる宗教である。本演習では,現代ユダヤ教における祈りの実践と多様なユダヤ教の展開について学ぶ。クラスでは実際に祈っている映像資料を積極的に用いることで,今日の異なるユダヤ共同体において実践されている様々な祈祷の旋律について理解を深める。また,祈りの歴史的展開について学ぶことで,現代ユダヤ教の多面的な側面を考察する。その他,実際に英語および日本語に訳された祈りの文言を朗読し,祈祷の際に用いる用具に触れることを通して,今日のユダヤ教のあり方について考える機会となることを目指す。 
 本演習は祈りを通して現代のユダヤ教の現状を学ぶことを目的としている。主題をより深く理解するために,聖書時代から近現代に至るユダヤの祈祷の発展の模様を歴史的に概説する。ユダヤの祈祷には聖書テクストから今日の典礼テクストに至るまでの長い歴史がある。ユダヤの祈りは,神殿儀礼の一部であった長編文学である詩編のなかに,また,ヘブライ語聖書の初期の形体(つまり散文テクスト)の中に保持されている。それは後にシナゴーグでの典礼の中に見られる祈祷へと発展していく。それらの祈りは各地域の儀礼様式のなかで異なるメロディを形成し,2000年を通して発展してきた。 
 ユダヤ教の中で祈りは共同体の構成要素としての役割を担ってきた。それは世界に離散するユダヤ人のあいだでユダヤ・アイデンティティを保持するための主要な要素の一つとして機能してきたと言えるだろう。従って,本演習はユダヤ教という宗教を構成している重要な要素を学ぶ絶好の機会になると思われる。

<到達目標/Goals,Aims>

➀祈りを通して,現代ユダヤ教の多様な実態が理解できるようになる。 
➁宗教的実践を遵守しない,現代における世俗的なユダヤ人のアイデンティティについて理解を深める。 

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 1回目  (内容/ Contents) 導入:ユダヤにおける祈りの概念  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業時に配布された資料を読む。 
(実施回/ Week) 2回目  (内容/ Contents) 概説(1):今日のユダヤ世界  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業時に配布された資料を読む。 
(実施回/ Week) 3回目  (内容/ Contents) 概説(2):ユダヤ教の歴史  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業時に配布された資料を読む。 
(実施回/ Week) 4回目  (内容/ Contents) 概説(3):ユダヤのライフサイクル  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業時に配布された資料を読む。 
(実施回/ Week) 5回目  (内容/ Contents) 概説(4):ユダヤの祭り  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業時に配布された資料を読む。 
 
(実施回/ Week) 6回目  (内容/ Contents) 世界各国のユダヤ・コミュニティにおける近現代のシナゴーグ  (授業時間外の学習/ Assignments) 中間発表の準備 
授業時に配布された資料を読む。 
(実施回/ Week) 7回目  (内容/ Contents) 安息日の儀礼:家庭とシナゴーグでの迎え方  (授業時間外の学習/ Assignments) 中間発表の準備 
授業時に配布された資料を読む。 
(実施回/ Week) 8回目  (内容/ Contents) ユダヤの祈りの展開(1):ヘブライ語聖書における祈祷  (授業時間外の学習/ Assignments) 中間発表の準備 
授業時に配布された資料を読む。 
(実施回/ Week) 9回目  (内容/ Contents) ユダヤの祈りの展開(2):シナゴーグの形成  (授業時間外の学習/ Assignments) 中間発表の準備 
授業時に配布された資料を読む。 
(実施回/ Week) 10回目  (内容/ Contents) ユダヤの祈りの展開(3):タルムードに見られる典礼  (授業時間外の学習/ Assignments) 中間発表の準備 
(実施回/ Week) 11回目  (内容/ Contents) ユダヤの祈りの展開(4):祈禱書(シドゥール):アシュケナジー版とスファラディー版  (授業時間外の学習/ Assignments) 中間発表の準備 
(実施回/ Week) 12回目  (内容/ Contents) ユダヤの祈りの展開(5):ピユート  (授業時間外の学習/ Assignments) 中間発表の準備 
(実施回/ Week) 13回目  (内容/ Contents) ユダヤの祈りの展開(6):改革運動と祈祷書  (授業時間外の学習/ Assignments) 期末レポートの準備 
(実施回/ Week) 14回目  (内容/ Contents) 現代イスラエル国家と祈り  (授業時間外の学習/ Assignments) 期末レポートの準備 
(実施回/ Week) 15回目  (内容/ Contents) まとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 期末レポートの準備 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  30%  遅刻をしないこと,毎回のコメントカードの記入(オンラインで実施する場合は,毎回リアクションペーパーを提出してもらいます。) 
期末レポート試験・論文  40%  ユダヤの祈りについて基本的な知識を習得できているか,また参考文献を記載し,適切に文献を引用することができているかが評価のポイントです。 
 
クラスで発表など  30%  「ユダヤの祈り」に関するテーマについて発表することが求められます。 

授業内での積極的な発言,課題への取り組みを高く評価します。中間発表は,希望があればグループ発表も可。どれだけ考えて準備してきたかがポイントです。中間発表は,ユダヤの祭り,衣・食・住にかかわる祈りについて,科目担当者と相談のうえ,関心のあるテーマで発表してもらいます。クラスでの発表について,対面授業の実施が難しい場合は,TeamsあるいはZoomを利用して行います。やむを得ない理由を除き,授業を三分の一以上欠席した場合,単位は認められません。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
11 45.5 18.2 0.0 0.0 36.4 0.0 2.4

<参考文献/Reference Book>

Rabbi Adin Steinsaltz , A Guide to Jewish Prayer .   (Schocken, 2002) .  ISBN:0805211470 

 

 

その他の参考文献は授業中に適宜紹介します。意欲的な受講者には追加で資料を渡しますので申し出て下さい。

<備考/Remarks>

期末レポートは日本語もしくは英語で提出して下さい。 
 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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