シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10103631 

△初期・古典イスラーム研究1 (イスラーム諸学とウラマーの歴史)
Studies of the Early and Classical Islam 1 -History of Islamic Scholarship and Ulama-
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  森山 央朗

<概要/Course Content Summary>

 ムスリム(イスラーム教徒)の社会において,啓典『クルアーン(コーラン)』やハディース(預言者ムハンマドの言行に関する伝承)などの宗教的テキストを解釈し,イスラーム法学や神学などの宗教的学問を担う学者は,ウラマーと総称されます。彼らウラマーは,西暦8世紀に史料中に出現してから現代に至るまで,政治・経済・社会・文化の様々な事柄をイスラーム的に根拠付け,あるいは批判することで,イスラーム的な国家や社会を形作る上で不可欠な役割を果たしてきました。 
 こうしたウラマーの活動は,8世紀から13世紀にかけての西アジアにおいて,その基本的なあり方が確立されました。したがって,この時代・地域におけるウラマーの形成と発展の歴史をたどることは,イスラームの歴史的展開を理解するために重要な意味を持ちます。 
 この講義では,11世紀頃の西アジアにおける古典的ウラマーの活動を紹介し,7世紀から10世紀にかけてのウラマーの登場と確立の課程と,彼らの担ったイスラーム宗教諸学の展開を解説します。7世紀から9世紀(初期イスラーム時代)の急激な変化を経て,10世紀から13世紀(古典イスラーム時代)に安定的に確立されたウラマーとイスラーム宗教諸学の歴史を見ることで,イスラームとムスリム社会の歴史的基礎である「古典的イスラーム」と「古典的ムスリム社会」がどのように形成されたのかを考えていきます。 
 
 なお,この講義は,オンラインによる遠隔授業と動画配信によって行います。

<到達目標/Goals,Aims>

 ムスリム社会において重要な役割を果たしてきたウラマーについて,彼らの活動と学問の形成・確立の歴史的過程に関する知識を身につける。それによって,イスラームとムスリム社会を,歴史学的な視点から考察できるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 1回目  (内容/ Contents) 「昔,アラブの偉いお坊さんが・・・」:「古典的ウラマー」とは誰か?  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の整理と復習。次回使用するテキストや資料プリントが配付された場合にはその予習。  
(実施回/ Week) 2回目  (内容/ Contents) 古典的ウラマーの活動(1):人はどのようにしてウラマーになったのか  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の整理と復習。次回使用するテキストや資料プリントが配付された場合にはその予習。  
(実施回/ Week) 3回目  (内容/ Contents) 古典的ウラマーの活動(2):出世と収入  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の整理と復習。次回使用するテキストや資料プリントが配付された場合にはその予習。  
(実施回/ Week) 4回目  (内容/ Contents) 古典的ウラマーの活動(3):法の運用と国家との関係  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の整理と復習。次回使用するテキストや資料プリントが配付された場合にはその予習。 小レポートの作成。 
(実施回/ Week) 5回目  (内容/ Contents) ウラマーと古典イスラーム諸学の歴史(1):預言者の統治とウラマーの出現  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の整理と復習。次回使用するテキストや資料プリントが配付された場合にはその予習。  
(実施回/ Week) 6回目  (内容/ Contents) ウラマーと古典イスラーム諸学の歴史(2):文語アラビア語とアダブ(教養)の成立  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の整理と復習。次回使用するテキストや資料プリントが配付された場合にはその予習。  
(実施回/ Week) 7回目  (内容/ Contents) ウラマーと古典イスラーム諸学の歴史(3):紙の普及とアラビア語「出版ブーム」  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の整理と復習。次回使用するテキストや資料プリントが配付された場合にはその予習。  
(実施回/ Week) 8回目  (内容/ Contents) ウラマーと古典イスラーム諸学の歴史(4):法学と神学の議論  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の整理と復習。次回使用するテキストや資料プリントが配付された場合にはその予習。  
(実施回/ Week) 9回目  (内容/ Contents) ウラマーと古典イスラーム諸学の歴史(5):ギリシア哲学とインド・イランの数学・説話やの吸収  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の整理と復習。次回使用するテキストや資料プリントが配付された場合にはその予習。  
(実施回/ Week) 10回目  (内容/ Contents) ウラマーと古典イスラーム諸学の歴史(6):カリフ・マァムーンの異端審問と伝承主義  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の整理と復習。次回使用するテキストや資料プリントが配付された場合にはその予習。 小レポートの作成。 
(実施回/ Week) 11回目  (内容/ Contents) ウラマーとムスリム社会(1):学問的評価と社会的権威  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の整理と復習。次回使用するテキストや資料プリントが配付された場合にはその予習。  
(実施回/ Week) 12回目  (内容/ Contents) ウラマーとムスリム社会(2):名望家としての活動  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の整理と復習。次回使用するテキストや資料プリントが配付された場合にはその予習。  
(実施回/ Week) 13回目  (内容/ Contents) ウラマーとムスリム社会(3):民衆に対する影響力  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の整理と復習。次回使用するテキストや資料プリントが配付された場合にはその予習。 期末レポートの作成。 
(実施回/ Week) 14回目  (内容/ Contents) 古典的ウラマーの変質:マドラサ(学院)の普及とウラマーの職業化  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の整理と復習。次回使用するテキストや資料プリントが配付された場合にはその予習。 期末レポートの作成。 
(実施回/ Week) 15回目  (内容/ Contents) 新たな展開:初期・古典イスラームから中世・近世イスラームへ  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容の整理と復習。期末レポートの作成。 

 受講生の理解度や興味関心に応じて,開講後,受講生と相談の上で授業計画を変更する可能性があります。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  40%  遅刻をせずにきちんと出席してきたか。  
小レポート  20%  指定する範囲の講義内容を的確に理解し,独自のコメントや問題を整理できたか。 
期末レポート試験・論文  40%  講義全体の内容を的確に理解し,自分なりに問題を掘り下げることができたか 

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
13 23.1 7.7 15.4 15.4 38.5 0.0 1.6

<参考文献/Reference Book>

谷口淳一  『聖なる学問,俗なる人生-中世のイスラーム学者-』(山川出版社、2011)ISBN:9784634474628 
 

柳橋博之編  『イスラーム 知の遺産』(東京大学出版会、2014)ISBN:978-4-13-026146-3 
 

小杉泰,林佳世子編  『イスラーム 書物の歴史』(名古屋大学出版会、2014)ISBN:978-4-8158-0773-3 
 

 

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