シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10102163 

△イスラーム文化学3 (現代シーア派の見方・考え方(2))
Study of Islamic Culture 3 -Basic Belief and World View of Shiah Islam (2)-
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  杉山 雅樹

<概要/Course Content Summary>

シーア派,とりわけその主流である十二イマーム派は,「イマームの無謬性」と「救世主思想」を中心的教義として成立・発展した。一方で,上記のような教義は,「イマームの神格化」や「霊魂の輪廻説」を説く極端派と呼ばれる諸集団の誕生を招き,「マフディー」を自称する指導者に率いられた運動を引き起こすこととなった。 
極端派やマフディー運動はイスラームの教義から逸脱した存在ではあるものの,その多くはシーア派と深い関りを持ち,イスラームの政治史や思想史にも大きな影響を与えてきた。 
本講義では,シーア派から生まれた極端派に属する諸集団やその教義について,また特にティムール朝期に数多く現れた様々なマフディー運動とその特徴について解説し,それらがイスラームの歴史において果たした意義を紹介する。 
なお,春学期のシーア派・イスラーム論1 (現代シーア派の見方・考え方(1))を受講した上で,この授業を履修することが望ましい。

<到達目標/Goals,Aims>

本講義を通じて,学生は 
(1)シーア派から生まれた極端派の存在とその教義について理解できるようになる。 
(2)ティムール朝期に起こった様々なマフディー運動とその性格,それらがイスラーム史に与えた影響について理解できるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 1回目  (内容/ Contents) イントロダクション:シーア派の歴史の概略  (授業時間外の学習/ Assignments) 受講動機や本授業に期待する事柄を発言できるようまとめておく。 
(実施回/ Week) 2回目  (内容/ Contents) シーア派の教義:イマームの無謬性と救世主思想  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と整理 
(実施回/ Week) 3回目  (内容/ Contents) 極端派の登場とその教義1:イマームの神格化  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と整理 
(実施回/ Week) 4回目  (内容/ Contents) 極端派の登場とその教義2:霊魂の輪廻  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と整理 
(実施回/ Week) 5回目  (内容/ Contents) ドゥルーズ派の誕生  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と整理 
(実施回/ Week) 6回目  (内容/ Contents) ニザール派の教義  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と整理 
(実施回/ Week) 7回目  (内容/ Contents) モンゴル侵攻以降の「聖者」崇拝の高まり1:アリー裔とスーフィー・シャイフ  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と整理 
(実施回/ Week) 8回目  (内容/ Contents) モンゴル侵攻以降の「聖者」崇拝の高まり2:救世主思想との結び付き  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と整理 
(実施回/ Week) 9回目  (内容/ Contents) ティムール朝期のマフディー運動1:フルーフィーヤ  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と整理 
(実施回/ Week) 10回目  (内容/ Contents) ティムール朝期のマフディー運動2:ムシャアシャア  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と整理 
(実施回/ Week) 11回目  (内容/ Contents) ティムール朝期のマフディー運動3:ヌールバフシーヤ①:ムハンマド・ヌールバフシュとその弟子たち  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と整理 
(実施回/ Week) 12回目  (内容/ Contents) ティムール朝期のマフディー運動4:ヌールバフシーヤ②:ムハンマド・ヌールバフシュのマフディー論  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と整理 
(実施回/ Week) 13回目  (内容/ Contents) サファヴィーヤからサファヴィー朝へ  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と整理 
(実施回/ Week) 14回目  (内容/ Contents) その他の「異端的」宗派  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と整理 
(実施回/ Week) 15回目  (内容/ Contents) 学習到達度確認テスト,およびこれまでのまとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と整理 

受講者と相談の結果,授業計画を変更する可能性がある。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  30%  単に出席すればいい訳ではなく,授業内での発言など授業に積極的に参加する姿勢や,毎授業後に提出してもらうミニッツペーパーの内容を評価する。 
授業内評価  70%  第15回目の授業で学習到達度確認テストを行う。単なる事実の暗記だけでなく,設問に対して授業内容に沿って自分なりの意見を述べられているか否かを評価する。 

<参考文献/Reference Book>

Shahzad Bashir , Messianic Hopes and Mystical Visions :  The Nurbakhshīya between Medieval and Modern Islam .   (University of South Carolina Press, 2003) .  ヌールバフシーヤの歴史と教義を扱った唯一の専論。序文に,ティムール朝に至るまでのマフディー思想の発展史がまとめられている。 

 

菊地達也  『イスラーム教 「異端」と「正統」の思想史』(講談社、2009)シーア派の視点からみた初期イスラーム思想史の概説。 
 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
Copyright(C) 2020 Doshisha University All Rights Reserved. 無断転載を禁止します。