シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10101334 

△宗教学14 (イスラエルの制度と社会)
Study of Religions 14 -System and Society in Israel -
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  北村 徹

<概要/Course Content Summary>

 本講義では,古代イスラエルの制度と社会について論じる。古代イスラエルは,「セム系一神教」と呼ばれるユダヤ教,キリスト教,イスラームの母胎となったのであり,その制度と社会について理解を得ることは,今日においても極めて重要な意味を持っている。ただし,資料的な問題もあり,その実態は必ずしも明らかではない。本講義ではこのような制約を踏まえながら,宗教的観点のみならず,歴史,社会,理念など諸次元にわたる古代イスラエルの制度と社会について考察を行う。  
 より具体的には,アプローチの方法論的有効性を検討し,その限界を踏まえつつ,古代イスラエルが置かれていた地理的,あるいは歴史的なコンテキストを強く意識しながら,その制度と社会について,ヘブライ語(旧約)聖書が記す王国成立期からバビロン捕囚によるその滅亡に至るまでの時代の解説を行う。古代イスラエルの宗教はそのコンテキストから独立して存在したのでなく,それが位置していた社会的,あるいは歴史的状況と不可分の関係にあった。それ故,この講義では社会的背景や歴史的諸事象と重ね合わせながら,古代イスラエルの制度や社会について検討する。 
 また,古代イスラエルについて考察する際に主な資料となるヘブライ語(旧約)聖書は,その編纂者の立ち位置を記す歴史記述であるという意味において,単なる史実を超えた意義を内包している。「歴史記述」,「伝承」,「記憶」,「物語」などをキーワードとしながら,人類の遺産の一つとしてのヘブライ語(旧約)聖書の意義についても考察を行いたい。講義内容の具体的計画は授業において紹介する予定であり,また,講義の概略を授業時に配布する。 
 なお,この講義は,オンライン(動画配信)で行います(教室での対面授業は行いません)。毎回の授業後に提出して頂くレスポンスペーパーなどへの応答を通して,できるだけ双方向的な授業になるよう努めます。授業形態の詳細については,授業初回時にDUETから説明を送信します

<到達目標/Goals,Aims>

 ユダヤ教,キリスト教,イスラームの背景となる古代イスラエルの宗教について,その制度と社会を探求することで基礎的な知識を得るとともに,宗教史と宗教研究の方法について理解できるようになる。また,この分野の基礎資料となるヘブライ語(旧約)聖書について,歴史や地理など具体的な背景を持つものとしての「客観的な見方」を確立するとともに,現代にまでその影響が及ぶ「聖書の宗教」を考える手がかりを得ることができるようになる。 

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 1回目  (内容/ Contents) 課題の設定  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で配付するレジュメを読み,講義内容に対応する聖書や参考文献の箇所を読んで理解を深める(2時間)。 
(実施回/ Week) 2回目  (内容/ Contents) 導入①:「宗教史」という視座と研究史  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で配付するレジュメを読み,講義内容に対応する聖書や参考文献の箇所を読んで理解を深める(2時間)。 
(実施回/ Week) 3回目  (内容/ Contents) 導入②:古代イスラエルのコンテキスト,テキストの構成とその歴史的枠組み  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で配付するレジュメを読み,講義内容に対応する聖書や参考文献の箇所を読んで理解を深める(2時間)。 
(実施回/ Week) 4回目  (内容/ Contents) 王国成立までの「イスラエル」の歴史①:ヘブライ語聖書における「イスラエル」  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で配付するレジュメを読み,講義内容に対応する聖書や参考文献の箇所を読んで理解を深める(2時間)。 
(実施回/ Week) 5回目  (内容/ Contents) 王国成立までの「イスラエル」の歴史②:ヘブライ語聖書が語る「イスラエル」形成のプロセス  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で配付するレジュメを読み,講義内容に対応する聖書や参考文献の箇所を読んで理解を深める(2時間)。 
(実施回/ Week) 6回目  (内容/ Contents) 王国成立までの「イスラエル」の歴史③:研究史と現在の研究動向の紹介  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で配付するレジュメを読み,講義内容に対応する聖書や参考文献の箇所を読んで理解を深める(2時間)。 
(実施回/ Week) 7回目  (内容/ Contents) 王国成立への胎動,「王」に対する評価  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で配付するレジュメを読み,講義内容に対応する聖書や参考文献の箇所を読んで理解を深める(2時間)。 
(実施回/ Week) 8回目  (内容/ Contents) 王国の成立  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で配付するレジュメを読み,講義内容に対応する聖書や参考文献の箇所を読んで理解を深める(2時間)。 
(実施回/ Week) 9回目  (内容/ Contents) ダビデ王権の確立  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で配付するレジュメを読み,講義内容に対応する聖書や参考文献の箇所を読んで理解を深める(2時間)。 
(実施回/ Week) 10回目  (内容/ Contents) 王国の推移と王への評価①:ダビデ王権の継承  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で配付するレジュメを読み,講義内容に対応する聖書や参考文献の箇所を読んで理解を深める(2時間)。 
(実施回/ Week) 11回目  (内容/ Contents) 王国の推移と王への評価②:南北王朝の分裂  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で配付するレジュメを読み,講義内容に対応する聖書や参考文献の箇所を読んで理解を深める(2時間)。 
(実施回/ Week) 12回目  (内容/ Contents) 王国の推移と王への評価③:南北王朝の推移  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で配付するレジュメを読み,講義内容に対応する聖書や参考文献の箇所を読んで理解を深める(2時間)。 
(実施回/ Week) 13回目  (内容/ Contents) バビロン捕囚と預言者  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で配付するレジュメを読み,講義内容に対応する聖書や参考文献の箇所を読んで理解を深める(2時間)。 
(実施回/ Week) 14回目  (内容/ Contents) 唯一神教の成立  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で配付するレジュメを読み,講義内容に対応する聖書や参考文献の箇所を読んで理解を深める(2時間)。 
(実施回/ Week) 15回目  (内容/ Contents) 総括  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義で配付するレジュメを読み,講義内容に対応する聖書や参考文献の箇所を読んで理解を深める(2時間)。 

授業計画の大きな変更はしないが,受講者の質問を受けることなどによって,若干,変更する可能性がある。 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  45%  レスポンスペーパー提出15% + 記述内容30% 
期末レポート試験  55%   

 異文化,異世界を紹介する本講義の内容に対して,主体的に関わることを求めます。平常点は,毎回の授業に対する感想や質問(200—400字程度)などをレスポンスペーパーとして授業担当者に送って頂くことで評価します。レポートは講義について触発され,疑問や関心を持った主題や項目などについて,主体的に展開できているかを重視します。

<テキスト/Textbook>

  『聖書-新共同訳-』 (日本聖書協会、1988)

 

聖書はどの出版社のものでも結構ですが,授業外の学習時には必ず参照して下さい。

<参考文献/Reference Book>

M. ノート(樋口進訳)  『古代イスラエル史』(日本基督教団出版局、1983)
 

P. K. マッカーター・ジュニア他(池田裕他訳)  『最新 古代イスラエル史』(ミルトス、1993)
 

山我哲雄  『聖書時代史-旧約篇-』(岩波書店、2003)
 

山我哲雄  『一神教の起源-旧約聖書の「神」はどこから来たのか-』(筑摩書房、2013)
 

石田友雄  『ユダヤ教史-聖書の民の歴史-』(山川出版社、2013)
 

木田献一・荒井献監修  『現代聖書講座 第1巻-聖書の風土・歴史・社会-』(日本基督教団出版局、1996)
 

蔀勇造  『歴史意識の芽生えと歴史記述の始まり』(山川出版社、2004)
 

M.ティリー,W.ツヴィッケル(山我哲雄訳)  『古代イスラエル宗教史-先史時代からユダヤ教・キリスト教の成立まで-』(教文館、2020)
 

<備考/Remarks>

「古代イスラエル宗教史1(=宗教学13)」もあわせて履修することが望ましい。 
 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
Copyright(C) 2020 Doshisha University All Rights Reserved. 無断転載を禁止します。