シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


10101332 

△宗教学12 (キリスト教的世界観の現在)
Study of Religions 12 -How does Christianity understand the world?-
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  石黑 安里

<概要/Course Content Summary>

 キリスト教は常に異文化のなかで発展してきたと言っても過言ではありません。西アジアで発祥したキリスト教は,ヨーロッパにおいて,その思想,制度,文化を醸成してきましたが,南北アメリカ,アフリカ,オセアニア,アジア,ロシアといった各地域において,それぞれ土着の文化と双方に影響しあう過程で発展を遂げてきました。キリスト教の世界観とは,「他者/異なるもの」との出会いを通して,その核となる思想を形成してきたとも言えるでしょう。 
 本クラスでは,移民政策の問題,環境問題,生命倫理などの現代社会が抱える課題に対して,キリスト教がどのように向き合っているのか,具体例を挙げながら,キリスト教の価値観を形成している論理を浮き彫りにします。加えて,今日のキリスト教自体が直面している課題についても検討します。 
 本講義は,キリスト教的世界観のあり方とその世界観を形づくっている背景について理解を深め,多角的な視点から論じていくために,参加型のクラスを目指します。そのため,授業内で積極的に発言することが期待されます。また,新聞をはじめとしたメディアの情報から関心のあるトピックを選び,それらがキリスト教的世界観からいかに論じることができるか,また,キリスト教世界が直面している課題について客観的・批判的に考察する機会を設けます。それらの作業を通して,キリスト教の教義として掲げられる理念と現代社会におけるキリスト教の実態との矛盾点や,キリスト教の変容について考察を深めていきます。

<到達目標/Goals,Aims>

➀多様な視点から,キリスト教を形成するものの見方,世界観についてその特質を理解できるようになること。 
➁本科目は神学部生を対象に開講されています。そのため,キリスト者,非キリスト者を問わず,キリスト教についてほとんど知らない人に,キリスト教が形成している世界観(の多様性)について,自分の言葉で説明できるようになること。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 1回目  (内容/ Contents) 導入:現代におけるキリスト教を取り巻く諸問題  (授業時間外の学習/ Assignments) キリスト教が形成している世界観に纏わる問いを考えてくる。 
(実施回/ Week) 2回目  (内容/ Contents) キリスト教の世界観の形成(1):ユダヤ・ヘブライの思想から  (授業時間外の学習/ Assignments) 前回の復習と疑問点を整理する。 
(実施回/ Week) 3回目  (内容/ Contents) キリスト教の世界観の形成(2):イエス  (授業時間外の学習/ Assignments) 前回の復習と疑問点を整理する。 
(実施回/ Week) 4回目  (内容/ Contents) キリスト教の世界観の形成(3):パウロ  (授業時間外の学習/ Assignments) 前回の復習と疑問点を整理する。 
(実施回/ Week) 5回目  (内容/ Contents) 異文化の中のキリスト教(1):アジアの文脈から  (授業時間外の学習/ Assignments) 前回の復習と疑問点を整理する。 
(実施回/ Week) 6回目  (内容/ Contents) 異文化の中のキリスト教(2):ヨーロッパの文脈から  (授業時間外の学習/ Assignments) 前回の復習と疑問点を整理する。 
新聞記事から関心のあるトピックを選び,自身の考えをまとめる。 
(実施回/ Week) 7回目  (内容/ Contents) 異文化の中のキリスト教(3):アメリカの文脈から  (授業時間外の学習/ Assignments) 前回の復習と疑問点を整理する。 
新聞記事から関心のあるトピックを選び,自身の考えをまとめる。 
(実施回/ Week) 8回目  (内容/ Contents) 隣人愛,宣教,布教について問い直す  (授業時間外の学習/ Assignments) 前回の復習と疑問点を整理する。 
新聞記事から関心のあるトピックを選び,自身の考えをまとめる。 
(実施回/ Week) 9回目  (内容/ Contents) ユダヤ教からみたイエス像,パウロ像  (授業時間外の学習/ Assignments) 前回の復習と疑問点を整理する。 
新聞記事から関心のあるトピックを選び,自身の考えをまとめる。 
(実施回/ Week) 10回目  (内容/ Contents) イスラーム世界とキリスト教  (授業時間外の学習/ Assignments) 前回の復習と疑問点を整理する。 
新聞記事から関心のあるトピックを選び,自身の考えをまとめる。 
(実施回/ Week) 11回目  (内容/ Contents) 日本におけるキリスト教  (授業時間外の学習/ Assignments) 前回の復習と疑問点を整理する。 
新聞記事から関心のあるトピックを選び,自身の考えをまとめる。 
(実施回/ Week) 12回目  (内容/ Contents) キリスト教と社会(1):教育と福祉の観点から  (授業時間外の学習/ Assignments) 前回の復習と疑問点を整理する。 
 
(実施回/ Week) 13回目  (内容/ Contents) キリスト教と社会(2):中絶,生命倫理,多様な性のあり方をめぐって  (授業時間外の学習/ Assignments) 前回の復習と疑問点を整理する。 
(実施回/ Week) 14回目  (内容/ Contents) まとめ:新たな問いに向けて  (授業時間外の学習/ Assignments) 期末筆記試験の準備 
(実施回/ Week) 15回目  (内容/ Contents) 授業内評価  (授業時間外の学習/ Assignments) 一学期間,本講義で学び,考察したことについて纏める。 

グループワークは受講者数などの条件によって,その進め方および回数を変更する可能性があります。受講者の関心に応じて,授業内容の一部を変更する場合があります。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  30%  毎回,コメントカードを配布します。適宜,グループワークを行います。(オンラインの場合は,毎回,リアクションペーパーを提出してもらいます。 
クラスで発表など  30%  キリスト教の世界観に関するトピックについて,新聞記事から関心のある記事を選び,考察したことをクラスで共有してもらいます。グループ作業可。(オンラインで実施する場合は,TeamsやZoom等を使用して行う予定です。本件は,受講者と相談のうえ,決定します。なお,リアルタイムでの参加が難しい場合は代替案を用意します。) 
期末筆記試験  40%  授業内容を踏まえ,自分の言葉で考察できているものを高く評価します。 

<参考文献/Reference Book>

森安達也  『近代国家とキリスト教』(平凡社、2002)ISBN:4582764460 
 

G・デコスタ編(森本あんり訳)  『キリスト教は他宗教をどう考えるか-ポスト多元主義の宗教と神学-』(教文館、1997)ISBN:4764266172 
 

青野太潮  『最初期キリスト教思想の軌跡-イエス・パウロ・その後-』(新教出版社、2013)ISBN:4400121046 
 

石川明人  『キリスト教と日本人-宣教史から信仰の本質を問う-』(筑摩書房、2019)ISBN:4480072349 
 

多岐の分野にわたるため,その他の参考文献は受講者の関心に応じて適宜紹介します。本クラスでは幅広い知識が求められます。そのため事前準備として,初回の授業までに上記の参考文献を一冊以上読了しておくことが望ましいです。

<備考/Remarks>

主体的にグループワークに参加することが求められます。授業の実施形態(対面あるいはオンライン)について,DUETの「メッセージ」上に連絡事項を記載する場合がありますので,必ず確認できる状態にしておいてください。やむを得ない理由を除き,授業を三分の一以上欠席した場合,単位は認められません。※入構禁止になった場合の授業内評価(期末筆記試験)に関しては,オンライン上で実施します。本科目の進め方に関する詳細は初回の授業時にアナウンスします。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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