シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2019年度

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○現代神学研究1 (現代神学の課題(1) -神学の言葉と認識- )
Study of Modern Theology 1 -Issues of Modern Theology (1) : Theological Concepts and Recognition -
2単位/Unit  春学期/Spring  今出川/Imadegawa 

  小原 克博

<概要/Course Content Summary>

 神学や宗教学に関連する研究課題に取り組む上で,重要な役割を果たす概念やキーワードを幅広く理解し,また,学問としての神学に求められる認識論的な次元への考察を深めることが,このクラスの目標です。 
 修士論文を執筆するためには,特定領域の専門知識を習得していく必要があります。しかし同時に,その専門性(特殊性)を学問的営為の一般性の中に 正しく位置づけ,評価するためには,専門領域をまたいで,人間の知的欲求を喚起し続けてきた概念や思想について理解しておく必要があります。わたしたちが,当たり前のように使っている「愛」「正義」「真理」「歴史」などの言葉も,それぞれの概念の成立史をたどっていくと,豊穣な意味世界を持っていること に,しばしば驚かされます。言葉はある固定したコンテキストの中で利用され続けると,本来あった躍動感や意味の重層性を失っていきます。それゆえ,大事な 言葉や概念であればあるほど,それを既定のものとして受け取るのではなく,むしろ,「隠された宝」を探すように,言葉の深みに立ち入る必要があります。伝統的な神学の専門用語は,現代のわたしたちの目から見れば,「化石」のように見えるものが少なくありません。しかしそれだけに,それらを「再活性化」する という解釈学的な試みは,チャレンジングな課題です。 
 このクラスでは,神学や宗教学にかかわる基本的および専門的な概念を記した文献を読解しながら,神学がもつ認識の幅広さを共に味わっていきたいと思います。そのための基本文献(テキスト)として,A. E. マクグラスの『キリスト教神学入門』を用います。履修者は,単に授業に出席するだけでなく,事前に文献を読んでくることが求められます。また授業は,担当者の一方的な講義ではなく,履修者との質疑応答にも十分な時間を割く予定です。この文献は,西洋神学を網羅的に紹介した良書です。そこで展開されている神学的論点を十分咀嚼しながら,同時に,非西洋の視点,とりわけアジアの視点から西洋神学の論点を脱構築,再構築していきたいと考えています。

<到達目標/Goals,Aims>

 学生が神学や宗教学に関連する研究課題に取り組む上で,重要な役割を果たす概念やキーワードを幅広く理解し,また,学問としての神学に求められる認識論的な次元への考察を深めることを目標とします。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 1回目  (内容/ Contents) 導入(1):講義の概要  (授業時間外の学習/ Assignments) 自分にとっての神学的課題を考える。 
(実施回/ Week) 2回目  (内容/ Contents) 導入(2):神学の言葉と認識(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 自分にとっての神学的課題を考える。 
(実施回/ Week) 3回目  (内容/ Contents) 導入(3):神学の言葉と認識(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 自分にとっての神学的課題を考える。 
(実施回/ Week) 4回目  (内容/ Contents) 導入(4):神学の言葉と認識(3)  (授業時間外の学習/ Assignments) 自分にとっての神学的課題を考える。 
(実施回/ Week) 5回目  (内容/ Contents) 神論(『キリスト教神学入門』第9章)  (授業時間外の学習/ Assignments) 事前にテキストを読む。 
(実施回/ Week) 6回目  (内容/ Contents) 三位一体論(第10章)  (授業時間外の学習/ Assignments) 事前にテキストを読む。 
(実施回/ Week) 7回目  (内容/ Contents) キリストの人格の教理(第11章)  (授業時間外の学習/ Assignments) 事前にテキストを読む。 
(実施回/ Week) 8回目  (内容/ Contents) 信仰と歴史――キリスト論の新たな問題(第12章)  (授業時間外の学習/ Assignments) 事前にテキストを読む。 
(実施回/ Week) 9回目  (内容/ Contents) キリストにおける救いの教理(第13章)  (授業時間外の学習/ Assignments) 事前にテキストを読む。 
(実施回/ Week) 10回目  (内容/ Contents) 人間の本性と罪と恩恵の教理(第14章)  (授業時間外の学習/ Assignments) 事前にテキストを読む。 
(実施回/ Week) 11回目  (内容/ Contents) 教会の教理(第15章)  (授業時間外の学習/ Assignments) 事前にテキストを読む。 
(実施回/ Week) 12回目  (内容/ Contents) サクラメント論(第16章)  (授業時間外の学習/ Assignments) 事前にテキストを読む。 
(実施回/ Week) 13回目  (内容/ Contents) キリスト教と世界諸宗教(第17章)  (授業時間外の学習/ Assignments) 事前にテキストを読む。 
(実施回/ Week) 14回目  (内容/ Contents) 最後の事物――キリスト教的希望(第18章)  (授業時間外の学習/ Assignments) 事前にテキストを読む。 
(実施回/ Week) 15回目  (内容/ Contents) まとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 今学期を振り返り,自分の課題を総括する。 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  40%  リーディング・アサインメントへの取り組み,授業への積極的参加を評価します。 
期末レポート  60%  授業で学んだことを的確にまとめることができているかを評価します。 

<テキスト/Textbook>

A. E. マクグラス  『キリスト教神学入門』 (教文館、2002) ISBN:9784764272033  授業用リザーブ・シェルフに配架します。 

 

<参照URL/URL>

小原克博 On-Line 
 

<備考/Remarks>

E-mail: kkohara@mail.doshisha.ac.jp 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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