シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2017年度

10270306 

△オリエント・西洋古代史(2)
Ancient History of the Orient and the West (2)
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  中井 義明

<概要/Course Content Summary>

本講の内容 
本講は紀元前5世紀の東地中海世界の政治過程をテーマとしている。前5世紀の東地中海はペルシア戦争・アテナイ帝国・ペロポネソス戦争によって象徴される。パルテノン神殿によって古典様式の美術が,アイスキュロスやソフォクレス,エウリピデスによってアッティカの悲劇が,ヘロドトスやトゥキュディデスによってヒストリアイと呼ばれる歴史叙述が確立され,民主政をめぐる大論争が展開されたのが前5世紀の東地中海世界であった。古代ギリシア史をアケメネス朝ペルシアとアテナイやスパルタといったポリスを中心とするギリシアの相関関係の中でヘレネス(ギリシア人)とバルバロイ(異民族),民主政と寡頭政,貧民大衆と富裕エリート層をめぐるイデオロギー上の大論争をテーマとしている。そしてこれらの論争はイデオロギーによって作り上げられた様々な幻想の共同体を生み出していったのである。その典型的なものがデロス同盟ではなかったか,と考えている。本講はペルシア戦争からペロポネソス戦争に至る東地中海世界の政治過程をたどりながら,文化史としての政治史を再構築する可能性を提示することを目的としている。  
 
授業の進め方 
 授業は講義を中心に行い,小レポートを各授業前に課す予定である。 
 
キーワード 
ヘレネス,バルバロイ,民主政,寡頭政,貧民,富裕者,自治,自由,帝国,イオニア人,ドーリス人

雄牛のリュトン(アテネ国立博物館蔵)

<到達目標/Goals,Aims>

受講生は紀元前5世紀という現代文明の母胎となった時代を政治文化史という視点からアプローチし,その子孫ともいえる現代をその起源との対比の中で深く考えることができるようになります。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 講義の背景と目的:講義の構成と理念  (授業時間外の学習/ Assignments) レポート/授業内容の復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ペルシア帝国の出現とギリシア世界   (授業時間外の学習/ Assignments) レポート/授業内容の復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) スパルタとアテナイ   (授業時間外の学習/ Assignments) レポート/授業内容の復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ペルシアの支配とイオニア反乱   (授業時間外の学習/ Assignments) レポート/授業内容の復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 第1回ペルシア戦争とマラトンの戦い   (授業時間外の学習/ Assignments) レポート/授業内容の復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 第2回ペルシア戦争とサラミスの海戦   (授業時間外の学習/ Assignments) レポート/授業内容の復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) デロス同盟の結成   (授業時間外の学習/ Assignments) レポート/授業内容の復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) アテナイの攻勢とペルシアの防衛   (授業時間外の学習/ Assignments) レポート/授業内容の復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) エフィアルテスの改革とペリクレスの台頭   (授業時間外の学習/ Assignments) レポート/授業内容の復習 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 第一次ペロポネソス戦争とカッリアスの平和   (授業時間外の学習/ Assignments) レポート/授業内容の復習 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) アテナイ帝国  (授業時間外の学習/ Assignments) レポート/授業内容の復習 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) ペロポネソス戦争  (授業時間外の学習/ Assignments) レポート/授業内容の復習 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 前5世紀の遺産  (授業時間外の学習/ Assignments) レポート/授業内容の復習 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 学習調査レポート  (授業時間外の学習/ Assignments) 総合レポート 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 講評と総括  (授業時間外の学習/ Assignments)  

講義の進み具合に応じて授業計画が変更される可能性あり。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  30%  出席回数。授業への積極性。 
レポート  70%  授業内容への理解度。文献調査の努力。レポートは毎回課される小レポートと最終レポートによる。 

授業の内容についての正確な理解 

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
83 4.8 25.3 32.5 18.1 19.3 0.0 1.8 *

<テキスト/Textbook>

中井義明/佐藤専次/渋谷聰/加藤克夫/小澤卓也  『教養のために西洋史入門』 (ミネルヴァ書房、2007年) 生協  ISBN:978-4-623-0409-7  西洋史の個々の領域における最近の研究のトレンドに触れる入門書。 

 

<参考文献/Reference Book>

ヘロドトス(松平千秋訳)  『 歴史(岩波文庫) 上・中・下』(岩波書店、1971~72年)ペルシア戦争までの歴史とペルシア戦争に関する根本史料 
 

トゥーキューディデース(久保正彰訳)  『戦史(岩波文庫) 上・中・下』(岩波書店、1966~67年)ペルシア戦争後のギリシア世界の歴史を叙述する根本史料 
 

クセノポン(根本英世訳)  『ヘレニカ I』(京都大学学術出版会、1998年)トゥキュディデスの記述が途切れているところからペロポネソス戦争の終了までを記述している。更には前362年までのギリシア世界の歴史を叙述。 
 

中井義明  『古代ギリシア史における帝国と都市-ペルシア・アテナイ・スパルタ-』(ミネルヴァ書房、2005)本講義の内容をカバーしている 
 

桜井万里子/本村凌二  『ギリシアとローマ』中公文庫 (中央公論社、2010年)本講義の背景となる歴史を概説している 
 

主として一次史料を中心に紹介した。その他の文献については講義の中で適宜紹介していく。

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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