シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2016年度

1G4072 

△統計力学
Statistical Mechanics
2単位/Unit  秋学期/Fall  京田辺/Kyotanabe  講義形式

  木村 佳文

<概要/Course Content Summary>

 普段我々が取り扱う物質は,非常に多くの数の分子や原子の集団から構成されており,たとえば気体の状態方程式や比熱,あるいは固体の比熱や磁化率といった量は,個々の分子の性質だけではなく,それらが集団としてまとまったときに持つ性質から決定される。分子や原子のもつ性質を出発点として,気体や固体のような物質集団を取り扱う学問は,統計力学と呼ばれる。この授業では,確率・統計的な考え方を用いることで,原子分子から出発して理想気体の状態方程式や固体の比熱がどのように理解できるかを示す。理想気体の熱力学的性質を,アンサンブルの考え方に基づく統計力学によって計算する方法について理解を深める事を目標とする。 
 この科目を理解するためには,物理化学Ⅰ~Ⅴの基礎的な内容を理解している他,高校および大学で学んだ程度の数学と物理をマスターしている必要がある。 
 本科目は,「学習・教育目標 B 化学分野における専門知識の修得(2)専門応用」に相当する物理化学分野の専門基礎を学習する。 

<到達目標/Goals,Aims>

(1)確率・統計の基礎的事項が理解できる。 
(2)気体分子運動論によって,速度分布や衝突頻度が計算できる。 
(3)カノニカル・アンサンブルと熱力学の関係が理解できる。 
(4)理想気体の熱力学性質を統計力学的に計算できる。 
(5)理想結晶の熱力学性質を統計力学的に計算できる。 
(6)簡単な気相反応の平衡定数を統計力学的に計算できる。 

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) Bernoulliの分子運動論に基づく理想気体の状態方程式の導出  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1章の予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) Maxwell-Boltzmannの速度分布  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト2章の予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 気体分子の衝突頻度  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト3章の予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ここまでの復習(演習)  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1-3章の予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 確率・統計の基礎的事項の復習。最大確率分布  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト4章の予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) カノニカル・アンサンブルの考え方  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト5章の予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) カノニカル・アンサンブルと最大確率分布  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト5章の予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 熱力学の復習  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト6章の予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 分配関数と熱力学関係式  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト6章の予習と復習 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 理想気体の諸性質の計算  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト7章の予習と復習 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) ここまでの復習(演習)  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト4-7章の予習と復習 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 理想単原子結晶の諸性質の計算  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト8章の予習と復習 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 理想二原子分子気体の諸性質の計算  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト9章の予習と復習 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 気相化学反応における平衡定数の計算  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト10章の予習と復習 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 遷移状態理論  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト10章の予習と復習 

授業は講義形式ですすめるが,途中にゼミ形式の演習を数回取り入れ,内容の理解を進める。 
また,上記の計画は目安であり,理解度に応じて進度を調節する。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

期末テスト  80%  具体的な問題について理解度をチェックする 
平常点  20%  レポート,小テスト (左記配分は可能な最大値である。詳細は下記コメントを参照すること) 

最終的な理解度が端的に表れる期末テストを重視する。期末テストでは,問題の数,難易度を判断材料にして合格点を決め,それ以上のものを点数に応じてA~C評価とする。期末テストのみで合格点に達しない場合,期末テスト満点の1/4を限度に平常点を加味する。平常点は,授業の進度をみながら必要に応じて小テストやレポートを課して評価する。平常点を加味して合格点に達したものはD評価とする。

<テキスト/Textbook>

機能分子工学科物理化学研究室 編  『量子化学・熱統計力学入門』物理化学Ⅲ,物理化学Ⅳ,統計力学の3科目共通(物理化学研究室にて販売) 

 

<参考文献/Reference Book>

マッカーリ・サイモン 著(千原・江口・斉藤 訳)  『物理化学(上・下)』(東京化学同人、1999年)
 

 

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