シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2015年度

169312-054 

△科学史・科学論2-54 (科学技術の進歩が引き起こした社会的諸問題)
History and Philosophy of Science 2-54 -The Social Problems Caused by the Developments of Technology-
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義形式

  藤岡 毅

<概要/Course Content Summary>

 19世紀後半から本格的に始まった科学の産業利用は,20世紀になって飛躍的に進行し,科学技術が現代の世界文明の根幹を支えているという現状は誰の目にも明らかである。科学技術の恩恵を受けた先進国の多くの人々はかつてなく豊かな物質生活を享受するようになり,科学技術の発展が豊かな未来を切り開くという「科学万能主義的」な考えが人々を支配した。しかし,20世紀後半のある時期から科学技術はさまざまな社会的問題を引き起こし,「科学万能主義」への懐疑が生じている。本講義では,放射線被ばく問題のような科学技術が引き起こした社会的問題群を取り上げ,その問題点を指摘するとともに,21世紀における科学技術のあり方について主体的な意見を持ち,考察できるようになるための基礎を養う。

<到達目標/Goals,Aims>

1.受講生は20世紀の科学がもたらした社会的問題をトータルに学ぶ。 
2.科学技術をめぐる倫理観を養う。 
3.科学技術が直面している問題の解決には,理工系の知識だけでなく,哲学や思想,社会科学的知識が必要不可欠であることを具体的に理解する。 
4.「ポスト・ノーマル・サイエンス」と呼ばれる現代科学の特徴を学び,科学との今後の付き合い方を身につける。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) イントロダクション  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布レジュメを読み直し要点を整理。必要に応じ参考文献参照。 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 科学と技術の結びつきの発展  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) 科学技術の倫理的課題。戦争と科学・技術  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) マンハッタン計画と原爆投下  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 原子力発電の歴史と福島以前の重大事故  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) 福島第一原発事故とその影響  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 低線量被曝問題その1  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) 低線量被曝問題その2  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) 水俣病と科学者の倫理  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) 「沈黙の春」がもたらした衝撃  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 生命操作技術の進展と社会  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) エネルギー利用の歴史  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 地球温暖化問題  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) リスク論と予防原則  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) ポストノーマルサイエンス時代の科学のゆくえ  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 

授業の進展状況によっては,受講生と相談の上,授業計画を変更することがあります。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  15%  出欠は任意に取ります 
提出物  15%  授業内容についてのコメントを数回提出 
期末試験  70%  配布プリントをよく読むこと。 
自筆ノート以外持込不可 
特記事項    状況によりレポートを課す場合がある 

出席点:正当な理由で欠席し,欠席届が提出された場合,出席点を考慮します。 
授業内容のコメントは,講義内容に関係することのみ評価します。

<テキスト/Textbook>

なし。毎回プリントを配布する。

<参考文献/Reference Book>

ジェローム・ラベッツ  『『ラベッツ博士の科学論』-科学神話の終焉とポスト・ノーマル・サイエンス-』第1版 (こぶし書房、2010年)「ポスト・ノーマル・サイエンス」の提唱者による決定版 
 

山内知也監訳  『放射線被ばくによる健康影響とリスク評価-欧州放射線リスク委員会(ECRR)2010年勧告-』(明石書店、2011年)低線量被曝の恐ろしさを体系的に理解するうえで重要な文献 
 

他の文献は授業で紹介する。

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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