シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2014年度

103923 

○一神教研究 (-神教とその世界を学ぶ-グローバル社会における平和構築のために-)
The Monotheistic Religions and Their Worlds: For the Peace Building in the Global Society
2単位/Unit  春学期/Spring  今出川/Imadegawa  講義形式

  小原 克博

<概要/Course Content Summary>

 この授業では,一神教の歴史や教義,一神教が影響力を及ぼしている世界の様子を知ることによって,グローバル社会における平和構築の手がかりを考察することを目的とします。 
 「一神教」という言葉は,わが国ではしばしば「多神教」の対語として用いられてきましたが,その場合の一神教とは,ひとまとめにされたユダヤ教・キリスト教・イスラームであり,それぞれの差異や実態はほとんど考慮されずに,もっぱら否定的なイメージを与えられてきました。その傾向は,9.11同時多発テロ事件(2001年)以降,いっそう強まってきたと言えるでしょう。戦争やテロを起こしているのは,主に一神教に関係する人々であって,一神教が今日の紛争の元凶となっている,多神教的な価値観こそ世界平和に貢献できるのだ,といった論調です。 
 確かに,イラク戦争後のイラクやアフガニスタンにおけるテロや紛争,あるいは,いまだ出口の見えないイスラエル・パレスチナ問題などを考えると,一神教が紛争に関係していることは無視できません。ただし,それらを「宗教紛争」として単純化するのは,真の原因から目を背けることになります。複雑に絡み合った政治と宗教の問題を解きほぐし,一神教世界の現実に少しでも近づいていく努力が求められます。 
 好む好まずにかかわらず,今日の世界を理解するためには,一神教に対する基礎知識が必要です。約21億人のキリスト教徒,約15億人のイスラーム教徒を合わせると,世界人口の過半数を超えます。世界で二人に一人は一神教徒だということになります。ユダヤ教徒は1400万人を占めるに過ぎませんが,その歴史的影響力は看過できないものがあります。 
 この授業では,以上のような課題に向き合っていくために,ユダヤ教,キリスト教,イスラームの歴史的・教義的基礎知識を身につけると共に,現代のグローバルな問題を分析していくために必要な方法論を学んでいきます。また同時に,日本社会と一神教世界をどのように関係づけることができるのかといった課題も取り上げ,私たちが,より現実的な形で平和について語ることができる道を探っていきます。

<到達目標/Goals,Aims>

 一神教の歴史や教義,一神教が影響力を及ぼしている世界の様子を知ることによって,グローバル社会における平和構築の手がかりを考察することを目的とします。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 1回目  (内容/ Contents) 導入 日本社会と一神教世界  (授業時間外の学習/ Assignments) 各回の内容を復習し,問題点を明確にする。各回で指示された参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 2回目  (内容/ Contents) 一神教の誕生  (授業時間外の学習/ Assignments) 各回の内容を復習し,問題点を明確にする。各回で指示された参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 3回目  (内容/ Contents) イスラエルの歴史 ユダヤ教の起源  (授業時間外の学習/ Assignments) 各回の内容を復習し,問題点を明確にする。各回で指示された参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 4回目  (内容/ Contents) イエスとその運動  (授業時間外の学習/ Assignments) 各回の内容を復習し,問題点を明確にする。各回で指示された参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 5回目  (内容/ Contents) キリスト教の拡大  (授業時間外の学習/ Assignments) 各回の内容を復習し,問題点を明確にする。各回で指示された参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 6回目  (内容/ Contents) イスラームの誕生と発展  (授業時間外の学習/ Assignments) 各回の内容を復習し,問題点を明確にする。各回で指示された参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 7-8回目  (内容/ Contents) 一神教の教義的特徴・相違点(創造論,終末論,救済論,偶像崇拝の禁止,正典解釈,等)  (授業時間外の学習/ Assignments) 各回の内容を復習し,問題点を明確にする。各回で指示された参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 9-11回目  (内容/ Contents) 現代世界における課題(原理主義,一神教と国家,宗教の自由,反ユダヤ主義とイスラモフォビア,等)  (授業時間外の学習/ Assignments) 各回の内容を復習し,問題点を明確にする。各回で指示された参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 12-14回目  (内容/ Contents) 一神教と暴力・戦争・平和  (授業時間外の学習/ Assignments) 各回の内容を復習し,問題点を明確にする。各回で指示された参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 15回目  (内容/ Contents) 総括  (授業時間外の学習/ Assignments)  

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席)  30%  10分以上の遅刻は出席としませんのでご注意ください。交通遅延等,不可避の事情があった場合には証明書を出していただければ考慮いたします。  
期末試験  70%  授業で扱った内容の内,基本的な項目を出題します。 

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
34 29.4 23.5 14.7 11.8 17.6 2.9 2.4 *

<参考文献/Reference Book>

小原克博  『宗教のポリティクス-日本社会と一神教世界の邂逅-』(晃洋書房、2010)ISBN:4771021651 
 

小原克博・中田考・手島勲矢  『原理主義から世界の動きが見える-キリスト教・イスラーム・ユダヤ教の真実と虚像-』(PHP研究所、2006)ISBN:4569655777 
 

授業の中で,適宜,参考文献を紹介していきます。

<参照URL/URL>

小原克博 On-Line 
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<備考/Remarks>

E-mail: kkohara@mail.doshisha.ac.jp 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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