シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2012年度

164031 

○物理化学Ⅳ

2単位/Unit  春学期/Spring  京田辺/Kyotanabe  講義形式

  伊吹 和泰 加藤 将樹

<概要/Course Content Summary>

 物理化学Ⅲ・Ⅳでは,分子を構成する原子,原子を構成する電子や原子核の性質に基づいて化学現象を理解するために必要な量子力学の基礎概念を解説するとともに,そのために必要となる工学基礎的な数学および物理について学習する。そのうち物理化学Ⅳでは,量子論に基づいて原子の構成や化学結合の基礎的事項について理解し,必要な数学的取り扱いに習熟することを目標とする。 
 内容の性質上,数式の取扱いに関する部分が多くなるので,授業だけで内容を理解することは不可能である。予習復習を十分に行って授業に臨んで欲しい。また,内容の理解を深めるために,授業の中で演習課題のレポートを課し,必要に応じて小テストを行なう。 
 物理化学Ⅳを理解するためには,物理化学Ⅲの他に,高校および大学1年次で学んだ程度の数学と物理をマスターしている必要がある。また,物理化学演習Ⅱは,物理化学Ⅲ・Ⅳの内容に関する演習科目であるので,あわせて受講することが望ましい。物理化学Ⅲは,物理化学Ⅳ,有機量子化学,統計力学を修得するための基礎となる。物理化学Ⅲは,物理化学Ⅰ・Ⅱの内容を直接受け継ぐ科目ではないが,物理化学Ⅰ・Ⅱと物理化学Ⅲ・Ⅳの内容の関連は,統計力学で述べられる。 
 なお,本科目は,「学習・教育目標 A 工学において基礎となる知識の修得(3)数学および物理学を含む工学基礎」および「学習・教育目標 B 化学分野における専門知識の修得(1)専門基礎」の両方に含まれるので,物理学および一般化学的な基礎事項を学習するとともに物理化学分野の専門基礎も学習する。

<到達目標/Goals,Aims>

(1)量子化学の基礎を理解するのに必要な微分方程式,線形代数等の基礎的な数学を習熟する。 
(2)量子力学に基づいて水素原子の電子軌道について説明できる。 
(3)摂動法,変分法等,量子力学で用いられる近似法が取り扱える。 
(4)原子の構成について理解できる。 
(5)原子価結合法,分子軌道法に基づいて水素分子の結合を説明できる。 

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 物理化学Ⅲの内容に関する基礎知識の確認  (授業時間外の学習/ Assignments) 物理化学Ⅲの復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 水素原子の電子軌道に対するシュレディンガー方程式  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1章の予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 水素原子の電子軌道とエネルギー準位  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1章の予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 水素原子の電子軌道関数と軌道の性質  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1章の予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 水素類似原子イオン  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト2章の予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 摂動法による近似的なシュレディンガー方程式の解法  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト3章の予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 変分法による近似的なシュレディンガー方程式の解法  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト4章の予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 多電子系  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト5章の予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 電子スピンとPauliの原理  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト7章の予習・復習 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 原子の構成  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト8章の予習・復習 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 原子価結合法による水素分子の結合  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト10章の予習・復習 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 原子価結合法による水素分子の結合(続き)  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト10章の予習・復習 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 分子軌道法による水素分子イオンの結合  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト11章の予習・復習 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 分子軌道法による水素分子の結合  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト12章の予習・復習 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 二原子分子,多原子分子  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト13章,14章の予習・復習 

必要に応じて,上記のほかに,レポートを課し,小テストを行うことがある。 
また,上記の計画は目安であり,理解度に応じて進度を調節する。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

期末テスト  80%  具体的内容に対する理解度をチェックする 
平常点  20%  小テスト,レポート (左記配分は可能な最大値である。詳細は下記コメントを参照すること) 

最終的な理解度が端的に表れる期末テストを重視する。期末テストでは,問題の数,難易度を判断材料にして合格点を決め,それ以上のものを点数に応じてA~C評価とする。期末テストのみで合格点に達しない場合,期末テスト満点の1/4を限度に平常点を加味する。平常点は,授業の進度をみながら必要に応じて小テストやレポートを課して評価する。平常点を加味して合格点に達したものはD評価とする。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
108 28.7 21.3 25.9 19.4 4.6 0.0 2.5 *

<テキスト/Textbook>

機能分子工学科物理化学研究室 編  『量子化学・熱統計力学入門』物理化学Ⅲ,物理化学Ⅳ,物理化学演習Ⅱ,統計力学の4科目共通(物理化学研究室で販売)  

 

  プリントを用いる。 

 

<参考文献/Reference Book>

マッカーリ・サイモン 著(千原・江口・斉藤 訳)  『物理化学(上・下)』(東京化学同人)
 

原島 鮮 著  『初等量子力学』(裳華房)
 

大岩 正芳 著  『初等量子化学』(化学同人)
 

<参照URL/URL>

機能分子・生命化学科 物理化学III・IV 
 
 

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