シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2014年度

DB0335 

△組織と人間(人的資源)

2単位/Unit  秋学期/Fall  烏丸/Karasuma  ゼミ形式

  山内 麻理

<概要/Course Content Summary>

本講義では,人的資源管理の基本的な概念や特徴を主に国際比較の観点から勉強する。今日,企業は益々グローバルでトランスナショナルな環境下で活動している。生産やサービスの拠点を,国境を越えて統合することで,各国の従業員がこれまで以上に緊密にコーディネートする必要が生じている。それに応じて,人的資源管理の方法も変化せざるを得ない面があるが,各国の制度がそれぞれ異なる文化的制度的背景に立脚して発展してきたことから,統合やコーディネーション強化のプロセスにはかなりの困難と妥協が伴うことが予想される。本講義では,それぞれの国の雇用システムや人的資源管理がどのような背景から形成され,それらの特徴が企業の技能形成やイノベーションのあり方とどう関わってきたか,国際比較の視点から理解を深めるための主要な理論的枠組みについて概観する。と同時に,経済のグローバル化によって主要国の人的資源管理がどのように変化しているか,最近の傾向についても触れながら,今後の方向性について議論する。 
日本語文献が少ない分野であることから英語文献が多用される点に注意すること。講義については日本語と英語の両方で行う。 

<到達目標/Goals,Aims>

1.主要国の組織や人的資源管理の特徴,その背景となる制度や文化の違いを理解すること。 
2.それらの特徴と技能形成やイノベーション,企業の競争戦略との関係について検討するための複数の視角や理論的枠組みについて勉強すること。 
3.上記の学習を,多様な組織や従業員をマネージするために役立てることができるようになること。 

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) オリエンテーションとイントロダクション       
・講義の進め方 
・講義の目的 
 
(授業時間外の学習/ Assignments) 授業時に配布する資料によって, 
予習,または,復習すること 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) グローバリゼーションと組織,人 
・多国籍企業の組織の変遷 
・人的資源管理へのインプリケーション 
 
(授業時間外の学習/ Assignments)       同上 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) 主要国の国民性と組織,人 
・主要な異文化ディメンション 
 
(授業時間外の学習/ Assignments)       同上 
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) 国民性:文献研究とディスカッション 
・組織,人的資源管理,リーダーシップスタイルなどの違い 
・「心理的契約」,従業員の職務態度の違い 
 
(授業時間外の学習/ Assignments)       同上 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 制度と組織能力 
・制度,制度的補完性,比較制度優位 
 
(授業時間外の学習/ Assignments)       同上 
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) 制度:文献研究とディスカッション 
・代表的な資本主義,福祉国家やビジネスシステムの類型 
・技能形成や人的資源管理との関係 
 
(授業時間外の学習/ Assignments)       同上 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 雇用システムの類型化 
・効率性と履行可能性の追求 
・教育訓練制度,労働市場との関係 
 
(授業時間外の学習/ Assignments)       同上 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) 主要先進国の雇用システムの特徴 
・新・旧アメリカ型モデル  
・日本型モデル 
・ヨーロッパ型モデル 
 
(授業時間外の学習/ Assignments)       同上 
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) “ハイパフォーマンス(生産)モデル”の多様性  
・(アメリカ型)大量生産に代わる主要な生産モデル 
  (HR型,チーム型,日本型,イタリア型,ドイツ型) 
・生産手法を変えようとした米企業が経験した困難 
 
(授業時間外の学習/ Assignments)       同上 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) 人的資源管理の方法とナレッジマネジメント,技能形成 
・暗黙知と形式知 
・企業特殊的技能と一般的技能 
 
(授業時間外の学習/ Assignments)       同上 
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) ナレッジマネジメント:文献研究とディスカッション 
・組織的学習,イノベーション 
・人・組織間の信用度 
 
(授業時間外の学習/ Assignments)       同上 
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) 社会的多様性 
・国から社会へ 
・「組織フィールド」 
 
(授業時間外の学習/ Assignments)       同上 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 雇用システム:文献研究とディスカッション 
・最近の変化 
・変化の背景にある要因 
 
(授業時間外の学習/ Assignments)       同上 
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) 雇用システムの多様化 
・外資の参入と人的資源管理 
・雇用システムの収斂と多様化に関する議論 
 
(授業時間外の学習/ Assignments)       同上 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) まとめと期末レポートのテーマ打ち合わせ  (授業時間外の学習/ Assignments)       同上 

・研究レポートのテーマについては,受講生が講義終了までに講義内容,特に興味のある分野・文献,勤務先がある場合は自身の職場における問題意識等から決定する。教師と相談の上決定しても良い。 
・上記の授業計画は,授業開始までの検討,受講者数,受講者の問題意識等により若干修正される可能性がある。 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  50%  出席,授業における発言,他社への配慮,文献の予習や発表 
期末レポート試験・論文  50%  講義内容や文献の理解度,問題意識や論考の深さ 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数  2名
  成績評価結果は公表されていません。

<テキスト/Textbook>

.  特定のテキストは使わない 

 

<参考文献/Reference Book>

Hall, P. & Soskice, D. , Varieties of Capitalism :  The Institutional Foundations of Comparative Advantage .   (Oxford University Press, 2001) . 

 

Marsden, D. , A Theory of Employment Systems :  Micro-Foundations of Societal Diversity, Oxford .   (Oxford University Press, 1999) . 

 

Berger, S. , How We Compete :  What Companies Around the World Are Doing to Make It in Today’s Global Economy .   (Random House, Inc., 2006) . 

 

Katz, H. and Darbishire, O. , Converging Divergences :  Worldwide Changes in Employment Systems .   (Cornel University Press, 2000) . 

 

山内麻理  『雇用システムの多様化と国際的収斂-グローバル化への変容プロセス-』(慶應義塾大学出版会、2013)
 

Appelbaum, W. and Batt, R. , The New American Workplace :  Transforming Work Systems in the United States .   ( ILR Press, Cornell University, 1994) . 

 

Hofstede, G. , Cultures and Organizations :  Software of the Mind .   (MacGraw-Hill, 1991) . 

 

 

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