シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2014年度

DB0312 

△物理学 (科学は如何にして創られたか)
Physics
2単位/Unit  秋学期/Fall  烏丸/Karasuma  講義形式

  山口 栄一

<概要/Course Content Summary>

 自然科学のみならず社会科学の研究においても,「科学とは何か」,「科学の誕生にとって何が本質だったのか」,「科学と他の知とを峻別するものは何か」などについて把握しておくことは重要である。さらには,技術・革新的経営の要諦は,現代科学が自然法則を見つけるために自然を「解剖」する本性を有していることを深く反省したうえで,それに立脚して成立する現代技術が人類の生活と福祉とを豊かにするものとして存在するための新しい方法論を見出すことに他ならない。 
 この2点,すなわち(1)科学とは何かを本質から把握すること,そして(2)技術経営の新しい方法論を見出すこと。この目標を達成するための王道は,科学の原初をなす物理学の本質を知ることであって,本科目は,その目標をめざして設置されている。 
 第1回において,上記の問いかけに対する対話と討論を行なったあと,第2-3回において,物理学がどのように誕生したかを学ぶ。 
 第4-5回において,物理学の最初の体系を築いたニュートンの力学と解析力学の初歩を学んだあと,第6-7回において,古典物理学の枠組みを完璧なものにした相対性理論に入門する。 
 第8-9回において,熱の本性を探る苦悩とそこから生まれた統計力学の初歩を学ぶ。 
 最後に,第10-13回において,古典物理学のパラダイムを破壊して生まれ出で,現代の高度情報化社会を生み出すにいたった量子力学に入門を果たす。

<到達目標/Goals,Aims>

 科学とは何か,それが如何にして生まれたかを,本質から理解できるようになる。さらには,古典力学・相対性理論・統計力学・前期量子論・量子力学・固体物理学の大局的概念を理解できるようになるとともに,現代の高度情報化社会を成立させている一群のハイテク技術の本質を具体的に想像できるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) 討論:本科目の目標の理解にむけて 
科学とは何か 
科学の誕生にとって何が本質だったのか 
科学と他の知とを峻別するものは何か 
(授業時間外の学習/ Assignments) 復習をしっかり行う 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 物理学の誕生 
ギリシア哲学からニュートンまで,その歴史を学ぶ 
(授業時間外の学習/ Assignments) 復習をしっかり行う 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) 第2回の続きと演習 
第2回「物理学の誕生」についての課題を解く 
(授業時間外の学習/ Assignments) 復習をしっかり行う 
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) 古典力学 
ニュートン力学の真髄を学ぶ 
(授業時間外の学習/ Assignments) 復習をしっかり行う 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 第4回の続きと演習 
第4回「古典力学」についての演習問題を解く 
(授業時間外の学習/ Assignments) 復習をしっかり行う 
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) 相対性理論 
アインシュタインの特殊相対性理論をみずから解く 
(授業時間外の学習/ Assignments) 復習をしっかり行う 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 第6回の続きと演習 
第6回「相対性理論」についての演習問題を解く 
(授業時間外の学習/ Assignments) 復習をしっかり行う 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) 統計力学 
ボルツマンが生み出した統計力学への入門を果たす 
(授業時間外の学習/ Assignments) 復習をしっかり行う 
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) 第8回の続きと演習 
第8回「統計力学」についての演習問題を解く 
(授業時間外の学習/ Assignments) 復習をしっかり行う 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) 前期量子論 
プランクが如何にして光量子仮説に到達したか,彼の苦悩を追体験する 
(授業時間外の学習/ Assignments) 復習をしっかり行う 
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 第10回の続きと演習 
第10回「前期量子論」についての演習問題を解く 
(授業時間外の学習/ Assignments) 復習をしっかり行う 
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) 量子力学 
シュレーディンガーは如何にして量子力学概念に到達したかを学んだのち,シュレーディンガー方程式を解いて,電子のふるまいを考察する 
(授業時間外の学習/ Assignments) 復習をしっかり行う 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 第12回の続きと演習 
第12回「量子力学」についての演習問題を解く 
(授業時間外の学習/ Assignments) 復習をしっかり行う 
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) 量子統計力学 
ボーズ・アインシュタイン統計とフェルミ・ディラック統計とを導き,とくに電子がしたがう後者の統計を用いながら,固体中での電子の温度特性を考察する 
(授業時間外の学習/ Assignments) 復習をしっかり行う 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) アチーブメント・テスト 
全体の理解を確認するために,期末筆記試験を行う 
(授業時間外の学習/ Assignments) 復習をしっかり行う 

受講生の理解度と興味にしたがって,授業計画を変更する可能性がある。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,発表,グループ作業の成果等)  20%  質問や適宜行なうディスカッションの内容を評価する 
小テスト  30%  6回の演習で,小テストを課する 
期末試験  50%  最終回にアチーブメント・テストを課する 

<テキスト/Textbook>

山口栄一  『死ぬまでに学びたい5つの物理学』 (筑摩選書、2014年) 2014年5月に出版予定。 

 

 

 

<参考文献/Reference Book>

朝永振一郎  『物理学とは何だろうか 上・下』(岩波新書、1979年)ISBN:4-00-420085-7 
 

<備考/Remarks>

 総合政策科学研究科の「数学」の履修を前もって済ませた者ないし済ませる予定の者,もしくはそれと同等以上の知識を有すると講師が認めた者のみ,履修を認める。 
 本科目は,日本語による提供科目である。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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