シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2013年度

PD0434-001 

◇通貨と金融の国際経済学-1
The Economics of Global Money, Currencies and Finace-1
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義形式

  浜 矩子

<概要/Course Content Summary>

チャールズ・ディキンズの小説,”Dombey and Son” の中に,ドンビィー氏が息子のポールから「おカネって何?」と質問される下りがある。返答に窮したドンビィー氏,「何って...つまり金とか,銀とか,銅とかさ。ギニーもあればシリングもあれば半ペンスだってある。お前も知ってるだろ?」などとのたまう。だが,それでは息子は納得しない。「それは知ってるさ...そうじゃなくて,結局おカネって何なの?おカネにどういう力があるの?」と食いさがられて,絶句する父親...。 
通貨を制するものは世界を制する。そういって過言ではないだろう。だが,通貨とはそもそも何で,通貨に何をする力があるのかということについて,体系的な理解を体得することは存外に難しい。グローバル時代とは,国境を越えてヒト・モノ・カネが自由に行き来する時代だという。カネが国境を越えて旅をし始めると何か起こるか。そのカネの流れを制御する力学はどのようなものなのか。カネはいつ通貨となるのか。通貨が国際化するとはどういうことであるのか。通貨を巡る疑問・質問は尽きない。そして,これらの疑問・質問に対して返答に窮するようでは,今日的環境の中で経済活動を展開し,企業経営において成功を博することは出来ない。 
通貨を知ることは歴史を知ることであり,未来を見透すことにつながる。古典的金本位制から変動相場制へと変遷してきた通貨関係の仕組みはこれからどうなろうとしているのか,21世紀の国際通貨関係はどのようなものになるのか。国境無き時代だといわれる今日の時代状況の中で,国と国との間の購買力格差の尺度である国際通貨関係というものをどう捕らえるべきであるのか。世界初の合意的合成通貨であるユーロの出現は何を意味するのか。合成通貨にはどれだけの生命力があるのか。グローバル時代の通貨関係はこれまでの通貨関係とどこがどう違うのか。 
幼子のごとき透徹した知的感性をもって,21世紀的な通貨と金融の国際経済学を模索していきたい。

<到達目標/Goals,Aims>

通貨と金融を見る目,そして通貨と金融の相互関係を読み解く力を形成していただきたく思います。それが本講座の到達目標です。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 序論:発想の原点 
◆何を考えるか 
◆どう考えるか 
◆目指すものは何か 
◆知恵に思いを馳せて… 
(授業時間外の学習/ Assignments) キーワードに関する質問の準備 
予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) カネは天下の回りもの 
◆貨幣 
◆通貨 
◆金融 
◆為替 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 金はカネなり 
◆金本位制:元祖,拘束衣 
◆金本位が国境を越えると… 
◆国際金本位制下の通貨関係 
◆金本位と管理通貨 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 通貨の攻防と興亡 
◆為替戦争事始 
◆英国の対応 
◆アメリカの対応 
◆フランスの対応 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) パックス・アメリカーナの通貨体制 
◆国際基軸通貨とは何か 
◆なぜ,アメリカだったのか 
◆パックス・アメリカーナの自壊体質 
◆流動性ジレンマ 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 通貨無重力時代への展開 
◆ニクソン・ショック 
◆レーガノミックス 
◆プラザ合意 
◆プラザ合意Ⅱ?ブレトンウッズⅡ? 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 通貨制度の経済力学 
◆犬か,尻尾か 
◆痛むのは誰か 
◆主客転倒の脅威 
◆固定為替相場制度の限界効用 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 通貨統合の経済効果 
◆経済統合か,通貨統合か 
◆ユーロの通貨的特性 
◆最適通貨圏とは何か 
◆平均値の恐怖 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 金融自由化の通貨的背景 
◆アメリカの場合 
◆イギリスの場合 
◆日本の場合 
◆世界の場合 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 中央銀行小史 
◆何の番人? 
◆誰の番頭? 
◆誰のための番人? 
◆グローバル時代の中央銀行 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 通貨危機の経済学(1):これまでを振り返る 
◆金本位下の通貨危機 
◆ドル危機と欧州通貨統合 
◆アジア通貨危機のカラクリと波紋 
◆通貨と金融の危機的関係 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 通貨危機の経済学(2):これからをどう展望するか 
◆金融自由化と通貨危機 
◆金融グローバル化と通貨危機 
◆金融証券化と通貨危機 
◆これが21世紀型金融恐慌だ 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 21世紀の通貨関係を考える(1)どこに焦点をあてるか? 
◆国際通貨体制の行方 
◆パックス「誰」の時代? 
◆中央銀行はどこへ行く 
◆通貨統合はどこまで行く 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 21世紀の通貨関係を考える:(2)どう解答を出すか? 
◆今までと何が違うか? 
◆グローバル・ジャングルの通貨的イメージをどう捕らえるか? 
◆国家と通貨の21世紀的関係は? 
◆カネは地球をどう回る? 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 総括と討論  (授業時間外の学習/ Assignments) ミニ・スピーチの準備 

各回完結形式ながら,連続性のあるドラマとして15回の講義を展開したい。折々の謎解きと舞台回しには受講生の皆さんの積極的参加を期待する。主役は皆さん。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

レポート  40%  創造力・批判力・理解力・達成力 
クラスへの貢献度  40%  質問力・集中力・貢献力 
提出物  20%  推理力・追求力 

自分の頭で考え自分の言葉で語る意気込みとそのための蓄積形成に労をいとわない姿勢,そして議論喚起のために常に問題提起者の役割を果たす構えのサービス精神。これらが評価の勘所となります。

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数  5名
  成績評価結果は公表されていません。

<テキスト/Textbook>

特定のテキストは設けません。参考文献を準テキスト風に考えられたし。

<参考文献/Reference Book>

浜 矩子  『グローバル恐慌-金融暴走時代の果てに-』(岩波書店、2009)
 

高橋 乗宣  『通貨の興亡-ドル時代の終焉-』(PHP研究所、1999)品切,大学図書館に所蔵あり 
 

浜 矩子  『通貨を知れば世界が読める-1ドル50円時代は何をもたらすのか?-』(PHP研究所、2011)
 

浜 矩子  『EUメルトダウン-欧州発世界がなくなる-』(朝日新聞出版、2011)
 

『通貨の興亡』は版元在庫切れながら,教員の手元に若干の余部あり,希望者には貸し出し可能です。他の参考文献あるいは資料については授業の中で適宜紹介します。

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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