シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2013年度

3B8205 

△コミュニティデザイン論研究
Study on Community-Design
2単位/Unit  秋学期/Fall  烏丸/Karasuma  講義形式

新川 達郎 山口 洋典 髙田 光雄 渥美 公秀
筒井 洋一 川中 大輔 弘本 由香里

<概要/Course Content Summary>

 東日本大震災,福島原発事故以降,改めてコミュニティとは何かが強く問われている。現代社会におけるコミュニティの多義的な性格を前提に,それをデザインすることの意味について,身近な地域での具体的な実践をもとに講究することを目的とする。 
 大阪の都心居住の代表地でもある「上町台地」界隈をフィールドに,積み重ねられてきた活動と研究から,多様性に富んだコミュニティの実態はどのようにとらえられ,そこで模索されている実践は何を物語っているのかを探る。ひととまちとの関係を築き直しながら自分たちの地域/文化を創造していくコミュニティの動きや,東日本大震災の被災地をはじめ,地域を越えたコミュニティの相互作用など,人と地域をエンパワメントするコミュニティ・デザインのプロセスに着目する。 
 コミュニティ・エンパワーメントの発展には,まちに住まう/つながる人々,新旧住民・新旧世代をはじめ,異なる者が共に地域/文化の創造の担い手となるためのコミュニケーションデザインが必要となるが,そのありようについても具体的事例をもとに探求する。 
 実践者と研究者が批判的かつ建設的な議論を交え実践と理論とをつなぐ講義形式とすることで,コミュニティ・エンパワーメントの在り方への理解を確実にするアプローチを行う。 

<到達目標/Goals,Aims>

担当教員によるオムニバス式講義,ゲストスピーカーによる話題提供,ワークショップ,シンポジウムの形式を組み合わせて学ぶことにより,地域コミュニティにおけるコミュニケーションデザインの重要性を理解すると共に,自らの居住地や研究対象地における自らの振る舞いについて,そのあり方を見つめ直し,現場の「ベターメント」(質的改善)のための視点を明確にすることができるような知識と技術を身につける。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) オリエンテーション(導入):コミュニティ・デザインへのまなざし;担当 講師全員  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習(以下同様):テキストをあらかじめ通読しておくこと 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 地域コミュニティの変化とコミュニティ・デザイン:五条小学校区を中心とした地域活動の展開に学ぶ;担当 新川 ゲストスピーカー  (授業時間外の学習/ Assignments) 既存の地域コミュニティの現状と課題,その発展の意義について,あらかじめ調べておくこと 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) コミュニティ・デザインのプロセスとガバナンス;担当 新川 ゲストスピーカー  (授業時間外の学習/ Assignments) 地域コミュニティをデザインする体制や組織,その過程について調べておくこと 
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) 地域のものづくり・商いとコミュニティ・デザイン:北大江界隈のものづくり・商いとまちづくりに学ぶ;担当 高田  (授業時間外の学習/ Assignments) まちづくりとものづくり・商いの関係がなぜ大切なのか,あらかじめ調べておくこと 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 地域のストック活用とコミュニティ・デザイン:空堀・緑橋界隈の長屋・町家再生とまちづくりに学ぶ;担当 弘本  (授業時間外の学習/ Assignments) 都心部の衰退地域や荒廃家屋を再生することの意義,そこに見られるまちづくりの発展可能性をテキストから読み取っておくこと 
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) コミュニティ・デザインとしての都市居住文化;担当 高田 弘本  (授業時間外の学習/ Assignments) 都市が都市であるための基底にある生活文化,その重なりとしての都市居住の歴史について,テキストから学んでおくこと 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 多文化共生とコミュニティ・デザイン:生野コリアタウンでの共生のまちづくりに学ぶ;担当 川中 ゲストスピーカー  (授業時間外の学習/ Assignments) 多文化社会の中で人と人を結びつけまちをまちたらしめている関係性の要素について学んでおくこと 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) コミュニティ・デザインにおける「学び」の意義:担当 川中  (授業時間外の学習/ Assignments) ひととまち,それらのつながりは「学び」によってはじめて実体化する。その学び,育つ原点についてテキストを読み込んでおくこと 
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) オルタナティブな場の連鎖とコミュニティ・デザイン:應典院,住み開き,オープン台地とネットワークに学ぶ;担当 渥美 ゲストスピーカー  (授業時間外の学習/ Assignments) まちを持続させるもの,まちを引き継ぐものとは何か,有形無形のまちのあり様をテキストから読み取っておくこと 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) 遊動化のドライブを生成・維持するコミュニティ・デザイン;担当 渥美  (授業時間外の学習/ Assignments) 人を支えるコミュニティを作り上げ動かす本質は,災害に際して顕在化しやすいが,そのことに関し,テキストの該当部分を熟読しておくこと  
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 着地型ツーリズムで起動するコミュニティ・デザイン:地域の物語を引き出す新たな職能に学ぶ;担当 弘本 ゲストスピーカー  (授業時間外の学習/ Assignments) 多様な地域資源とプロフェッショナルの出会い,それがもたらすまちづくりについて,テキストから読み取っておくこと 
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) コミュニティ・デザインにおける「物語」の力;担当 弘本 ゲストスピーカー  (授業時間外の学習/ Assignments) まちづくりのデザインにおける「物語」の考え方についてあらかじめテキストの関係部分を読み込んでおくこと 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 社会的包摂とコミュニティ・デザイン:釜ヶ崎でのクリエイティブ・ソーシャル・ワークに学ぶ;担当 筒井 ゲストスピーカー  (授業時間外の学習/ Assignments) さまざまな生き方を受容する文化やコミュニティのあり方について,テキストから読み取っておくこと  
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) クリエイティブ・ワークとコミュニティ・デザイン;担当 筒井  (授業時間外の学習/ Assignments) クリエイティブ・ワークとコミュニティ・デザインの関係について,調べておくこと 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) 総合討論・まとめ:担当 講師全員  (授業時間外の学習/ Assignments) これまでの講義内容を復習しておくこと 

なお,上記の講義順については,より効果的な内容として組み立てがなされるよう,講義開始時あるいは講義展開中に変更がなされる可能性がある。また,講義担当者は,新川達郎の他,高田光雄(京都大学),渥美公秀(大阪大学),筒井洋一(京都精華大学),川中大輔(シチズンシップ共育企画),弘本由香里(大阪ガス株式会社エネルギー・文化研究所)が務める予定である。それぞれが講義には関連する事項についてゲストスピーカーを交えて討論を行い理解を深める形式とする予定である。ゲストスピーカーについては,それぞれ関連するテーマに対し,実践家を話題提供者として招く予定である。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  70%  テキストや話題提供がなされた内容に対し,自らの意見を述べること 
期末レポート試験・論文  30%  講義の内容に則し,自らの意見を述べること 

 
 
平常点中心にて評価を行うが,その際,講義への積極的な参画に重点を置く。

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数  6名
  成績評価結果は公表されていません。

<テキスト/Textbook>

上町台地コミュニティ・デザイン研究会(編)  『地域を活かす つながりのデザイン-大阪・上町台地の現場から-』 (創元社、2009年)

 

<備考/Remarks>

本講義は,2009年度まで,大阪ガスエネルギー・文化研究所より寄付を受け,大学コンソーシアムの学際科目として開設してきた「コミュニティ・デザイン論」を発展させたものである。また現在,大阪ガスエネルギー・文化研究所と本研究科とは教育研究協力協定を結んでおり,本講義を開設している。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
Copyright(C) 2013 Doshisha University All Rights Reserved. 無断転載を禁止します。