シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2013年度

164021-001 

○物理化学Ⅱ-1
-1
2単位/Unit  春学期/Spring  京田辺/Kyotanabe  講義形式

  上野 正勝

<概要/Course Content Summary>

 物理化学IIおよびIIIでは,多数の粒子(原子・分子)からなる系の自然変化の原理を物質のエネルギー論(熱力学)の立場から解説する。 
 そのうち物理化学IIIでは,物理化学IIで学んだ自由エネルギーと平衡の条件を基にして,主に純物質や多成分系での相平衡および物質変化が伴う化学平衡について学ぶ。多成分系においては,部分モル量の概念が非常に大切であり,平衡を含めた自然変化を考える際には,部分モル量の一つである化学ポテンシャルが特に重要な役割を果たすことを学ぶ。また,時間の要素が入った反応速度の基礎についても,熱力学と結びつけて学習する。物理化学IIでは熱力学の基礎を習得することを目標としているが,物理化学IIIではその発展である平衡の一般理論とその応用を習得することを目標としている。なお,授業にはレジメ(URL参照)をプリンして持参すること。 
 物理化学IIIを理解するためには数学での偏微分・全微分・積分を学んでいる必要がある。また,物理化学演習Iが物理化学IIIの内容に関する演習科目であるので,あわせて受講することが望ましい。物理化学II・IIIと物理化学IV・Vとの関連は,統計力学で学習する。 
 なお,本科目は「学習・教育目標:B 化学分野における専門知識の修得 (1)専門基礎」に含まれ,物理化学分野の専門基礎を学習することになる。また同時に,「学習・教育目標:B 化学分野における専門知識の修得 (3)化学工学」を含み,化学工学的な内容も併せて学習する。

<到達目標/Goals,Aims>

到達目標は以下の通りである。 
(1) 純物質の相平衡の条件が理解できるようになる。さらに,クラウジウス−クラペイロン式に基づいて純物質の状態図を説明することができるようになる。 
(2) 溶相系の任意の示量性熱力学量とその部分モル量との関係が理解できるようになる。 
(3) 理想気体混合物・理想溶液・理想希薄溶液・実在溶液中の各成分の化学ポテンシャルを具体的に表すことができるようになる。 
(4) 理想希薄溶液を仮定して,束一的性質を表す式を導出することができるようになる。 
(5) 化学反応の平衡の条件を基にして,各成分の化学ポテンシャルを用いて平衡定数を具体的に表すことができるようになる。 
(6) 平衡定数の圧力・温度変化と各成分の標準状態における部分モル体積・部分モルエンタルピーとの関係が理解できるようになる。 
(7) 一次反応・二次反応や複合反応の速度式を導くことができるようになる。また,活性化エネルギーと反応熱との関係が理解できるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) 相平衡:平衡の一般理論  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業のポイントの節4-1の復習と,テキストの節4.1(授業のポイントの節4-2)の予習 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 相平衡:純物質の相平衡  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と,節4.2(節4-2)の予習 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) 相平衡:状態図,相の安定性  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と,節4.3(節4-3)の予習 
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) 相平衡:溶液と蒸気の平衡  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と,節4.4(節4-4)の予習 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 相平衡:部分モル量,理想溶液  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と,授業のポイントの節4-4の予習 
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) 相平衡:溶液の熱力学  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と,節4.5(節4-5)の予習 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 相平衡:溶液の束一的性質  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と4章のレポート作成。節5.1, 5.3(節5-1〜5-3)の予習 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) 化学平衡:平衡定数とギブズエネルギー変化  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と,節5.6, 4.6, 5.2(節5-4〜5-7)の予習 
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) 化学平衡:不均一系の化学平衡  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と,節5.4, 5.5(節5-8)の予習 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) 化学平衡:平衡に及ぼす圧力・温度の影響  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と5章のレポート作成。節8.1, 8.2(節8-1, 8-2)の予習 
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 化学反応速度:一次反応,二次反応  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と,節8.3(節8-3)の予習 
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) 化学反応速度:反応次数の決定,素反応と複合反応  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と,節8.4〜8.6(節8-5〜8-7)の予習 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 化学反応速度:反応速度定数の温度依存性,反応速度の理論  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と8章のレポート作成。演習問題の予習 
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) 演習問題  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習と,まとめの予習 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) まとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 総復習 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

小レポート  30%  講義内容の理解度を深めるため,章末の練習問題を解き,レポートとして提出すること。答えの導き方やまとめ方について評価する。 
期末筆記試験  70%  熱力学の基礎に関する講義内容の理解度を問う問題や章末の練習問題レベルの問題が解けること。 
特記事項    到達目標の到達度を上記の点数配分により総合的に評価し,100点満点で評価して,到達目標における基礎的事項を身に付けていると判断できる60点以上を合格(D以上)とする。 

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
128 30.5 19.5 14.8 18.0 17.2 0.0 2.3 *

<テキスト/Textbook>

近藤和生・上野正勝・芝田隼次・木村隆良・谷口吉弘  『物理化学』第2版  (朝倉書店、2011) 取扱い生協  ISBN:978-4-254-14090-3 

 

<参考文献/Reference Book>

原田義也  『化学熱力学』修訂版 (裳華房、2002) 取扱い生協 ISBN:4-7853-3065-1 
 

山内淳・馬場正昭  『現代化学の基礎』改訂版 (学術図書出版社、1993) 取扱い生協 ISBN:4-87361-310-9 
 

阪上信次・妹尾学・渡辺啓  『概説物理化学』第2版 (共立出版、1990) 取扱い生協 ISBN:4-320-04220-9 
 

物理化学研究室  『授業のポイント-物理化学III-』
 

授業には,<授業のポイント>とレジメ(URL 参照)も持参すること。

<参照URL/URL>

http://www1.doshisha.ac.jp/~bukka/index.html 
 
 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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