シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2012年度

DL1003 

○研究安全と倫理
Safety and Ethics in Research
2単位/Unit  春学期/Spring  学研都市/Gakkentoshi  講義形式

  井原 康夫 藤山 文乃 小原 克博

<概要/Course Content Summary>

「研究安全と倫理」について下記の内容を学んでいく。 
1. 研究者にとって倫理問題は必ずしも常に考える身近な問題ではない。むしろ敬遠したい問題でもあるだろう。本シリーズでは倫理問題が重要視されてきた歴史的背景を個々の事例に則して学習する。このことを通じて倫理観は時代とともに変わるものであり,絶対的規範があるわけではないことを学ぶ。現時点における倫理問題がどのようなものであり,どのように取り扱われているかJapanese Alzheimer’s Disease Neuroimaging Initiative (J-ADNI)における倫理問題を具体的に取り上げて受講生が討議する。 
2. 脳科学の倫理を考えていくために,まず,これまでの生命倫理や社会倫理の諸課題を整理し,議論を深めていく。脳やそれに起因する意識や認知をめぐる議論は,現代科学の課題であると同時に,哲学や宗教にもかかわる歴史的なルーツを持っている。倫理が人間の科学的および文化的営みの両方にかかわる以上,その両者を架橋する知的基盤が求められる。人間の身体と社会および世界との関わりを,広い倫理的視野に立って考察することのできる基礎力を養う。 
3.遺伝子改変動物,遺伝子組み換えウイルスなど遺伝子工学に際して遵守すべき規則と研究全般の安全と倫理の問題を学習する。ゲノムプロジェクトの進展,遺伝子工学の発展は基礎医学や臨床応用に新たな可能性をもたらした。しかし,バイオハザードの危険や倫理的問題など新しい問題も孕んでいる。また,生物多様性の確保のために2003年にカルタヘナ議定書が発効されており,遺伝子組み換え実験中の拡散防止措置が義務づけられている。これらの法律を正しく理解し,遺伝子工学を含む実験の危険性と意義について議論しながら授業を進める。 

<到達目標/Goals,Aims>

近年の研究手技の進展に伴い,科学実験の遂行に際して求められる知識はより多様なものになっている。実験に伴う怪我や火事といった一般的な危機管理に加え,「動物実験」「遺伝子組み換え実験」「ヒトゲノム・遺伝子解析」「病原体管理」「放射線同位元素取り扱い」など特有な生物実験に際して遵守すべき規則と,倫理,自他への危険性と対応を学ぶ。科学の可能性と限界,文化における科学の位置,生命倫理について学び,社会の中で科学が現在直面している問題,将来発生することが予想される問題について自分で考えることができるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 研究安全と倫理:その必要性(藤山)  (授業時間外の学習/ Assignments) 関連項目の予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 医の倫理,患者の権利 
第2次大戦後にうまれた反省とリスボン宣言(井原) 
(授業時間外の学習/ Assignments) 関連項目の予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 生殖医療と倫理(井原)  (授業時間外の学習/ Assignments) 関連項目の予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 脳死と臓器移植(井原)  (授業時間外の学習/ Assignments) 関連項目の予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 高齢者の医療倫理(井原)  (授業時間外の学習/ Assignments) 緩和ケア,終末期医療,尊厳死など高齢者は「どこまで生かし続けるか」が大きな問題になりつつある。これに関して討議するため,各人で準備をしておく。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 研究全般における安全対策(藤山)  (授業時間外の学習/ Assignments) 関連項目の予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) バイオハザードについて(藤山)  (授業時間外の学習/ Assignments) 関連項目の予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 動物実験と安全・倫理問題(藤山)  (授業時間外の学習/ Assignments) 関連項目の予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) RI実験と安全・倫理問題(藤山)  (授業時間外の学習/ Assignments) 関連項目の予習と復習 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 現代世界における倫理的課題──なぜ研究倫理は必要か (小原)  (授業時間外の学習/ Assignments) 関連項目の予習と復習 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 生命倫理における諸問題(小原)  (授業時間外の学習/ Assignments) 関連項目の予習と復習 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 脳神経倫理(ニューロエシックス)の展望(小原)  (授業時間外の学習/ Assignments) 関連項目の予習と復習 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 脳科学研究と遺伝子工学の現状(藤山)  (授業時間外の学習/ Assignments) 関連項目の予習と復習 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 遺伝子組み換え実験と安全・倫理問題(藤山)  (授業時間外の学習/ Assignments) 関連項目の予習と復習 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 研究安全と倫理・総括(藤山)  (授業時間外の学習/ Assignments) 関連項目の予習と復習 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  50%  講義に対する取り組みの姿勢を総合的に評価する。 
提出物  50%  本講義の目的である研究安全と倫理への理解を各自の研究にあてはめることによりその到達度を評価する。 

各担当教官の指示によるレポートやゼミ形式の発表などの成果の報告も含み総合的に評価する.

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数  5名
  成績評価結果は公表されていません。

 

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