シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2012年度

3B8205 

△コミュニティデザイン論研究
Study on Community-Design
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  ゼミ形式

新川 達郎 山口 洋典 髙田 光雄 渥美 公秀
筒井 洋一 川中 大輔 弘本 由香里

<概要/Course Content Summary>

本講義では,ひととまちとの関係を築き直しながら自分たちの地域/文化を創造していくコミュニティの動きに注目し,形だけになりがちなまちづくり論ではなく,人と地域をエンパワメントする可能性を講究することを目的とする。大阪の都心居住の代表地でもある「上町台地」エリアで展開されている具体的な実践や研究活動を事例として取り上げ,コミュニティ・エンパワーメントがなぜ必要なのか,それはどういうものなのかといったことから,まちの資源を活かし課題解決を図るコミュニティ・ビジネスのありようやまちづくり実践のメカニズムまで考察を深めたい。また,コミュニティ・エンパワーメントの発展には,まちに住まう/つながる人々,特に新旧住民が共に地域/文化の創造の担い手となるためのコミュニケーションデザインが必要となるが,そのありようについても具体的事例をもとに探求する。特に,コミュニティデザインの本質に踏み込むテーマ設定を行い,実践者と研究者が批判的かつ建設的な議論を交え実践と理論とをつなぐ講義と演習形式とすることで,コミュニティ・エンパワーメントの在り方への理解を確実にすることとする。 

<到達目標/Goals,Aims>

担当教員によるオムニバス式講義,ワークショップ,シンポジウムの形式を組み合わせて学ぶことにより,地域コミュニティにおけるコミュニケーションデザインの重要性を理解すると共に,自らの居住地や研究対象地における自らの振る舞いについて,そのあり方を見つめ直し,現場の「ベターメント」(質的改善)のための視点を明確にすることができるような知識と技術を身につける。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) オリエンテーション:この講義が目指すもの:担当 全員  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習(以下同様):テキストをあらかじめ通読しておくこと 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 協働のまちづくりとネットワーキング:担当 川中  (授業時間外の学習/ Assignments) 協働とネットワークの意義についてなぜ重視されるのか,あらかじめ調べておくこと 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) 「結縁」から捉えるコミュニティ・デザイン:担当 川中 ゲストスピーカー  (授業時間外の学習/ Assignments) 様々に使われる「縁」という言葉と協働・ネットワークの関係について調べておくこと 
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) まちを伝えるー広告戦略から学ぶ:担当 筒井  (授業時間外の学習/ Assignments) まちづくりの伝え方がなぜ大切なのか,あらかじめ調べておくこと 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 「再生」から捉えるコミュニティ・デザイン; 担当 筒井 ゲストスピーカー  (授業時間外の学習/ Assignments) まちそれ自体がメディアでありその再生が伝える行為であることをテキストから読み取っておくこと 
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) 都市の歴史と生活文化:担当 弘本  (授業時間外の学習/ Assignments) 都市が都市であるための基底にある生活文化,その重なりとしての都市の歴史について,テキストから学んでおくこと 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 「互恵」から捉えるコミュニティ・デザイン:担当 弘本 ゲストスピーカー  (授業時間外の学習/ Assignments) 人と人を結びつけまちをまちたらしめている関係性の要素について,またソーシャルキャピタルの成立条件について学んでおくこと 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) 減災のグループ・ダイナミックス:担当 渥美  (授業時間外の学習/ Assignments) 重ねられた時と人のつながりを原点にした,安心安全のまちづくりや減災の在り方について,テキストを読み込んでおくこと 
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) 「継承」から捉えるコミュニティ・デザイン:担当 渥美 ゲストスピーカー  (授業時間外の学習/ Assignments) まちを持続させるもの,まちを引き継ぐものとは何か,有形無形のまちのあり様をテキストから読み取っておくこと 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) アートマネジメントとコミュニケーション:担当 山口  (授業時間外の学習/ Assignments) アートによるまちづくりの先行事例を調べるとともに,その意味やマネジメントの考え方について,あらかじめ調べておくこと  
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 「交歓」から捉えるコミュニティ・デザイン:担当 山口 ゲストスピーカー  (授業時間外の学習/ Assignments) 多様な地域資源と多彩なプロフェッショナルの存在,出会いと交わりがもたらすものについて,テキストから読み取っておくこと 
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) 住みごたえのある住居から住み継がれる居住へ:担当 高田  (授業時間外の学習/ Assignments) 居住の在り方や居住デザインの考え方についてあらかじめ調べておくこと,テキストの関係部分を読み込んでおくこと 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 「越境」から捉えるコミュニティ・デザイン: 担当 高田 ゲストスピーカー  (授業時間外の学習/ Assignments) 文化的境界を越えて,さまざまな価値観を受容する居住文化やコミュニティのあり方について,テキストから読み取っておくこと  
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) コミュニティ・デザインの基礎理論:担当 新川  (授業時間外の学習/ Assignments) コミュニティをデザインするという観点から,テキストを再度見直しておくこと 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) 総合討論・まとめ:担当 全員  (授業時間外の学習/ Assignments) これまでの講義内容を復習しておくこと 

なお,上記の講義順については,より効果的な内容として組み立てがなされるよう,講義開始時あるいは講義展開中に変更がなされる可能性がある。また,担当者は,新川達郎,山口洋典の他,高田光雄(京都大学),渥美公秀(大阪大学),筒井洋一(京都精華大学),川中大輔(シチズンシップ共育企画),弘本由香里(大阪ガス株式会社エネルギー・文化研究所)が務める予定である。それぞれが講義をした次回授業時には関連する事項についてゲストスピーカーを交えて討論を行い理解を深める形式とする予定である。ゲストスピーカーについては,それぞれ関連するテーマに対し,実践家を話題提供者として招く予定である。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  70%  テキストや話題提供がなされた内容に対し,自らの意見を述べること 
期末レポート試験・論文  30%  講義の内容に則し,自らの意見を述べること 

平常点中心にて評価を行うが,その際,講義への積極的な参画に重点を置く。

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数  5名
  成績評価結果は公表されていません。

<テキスト/Textbook>

上町台地コミュニティ・デザイン研究会(編)  『地域を活かす つながりのデザイン-大阪・上町台地の現場から-』 (創元社、2009年)

 

<備考/Remarks>

本講義は,2009年度まで,大阪ガスエネルギー・文化研究所より寄付を受け,大学コンソーシアムの学際科目として開設してきた「コミュニティ・デザイン論」を発展させた講義である。また現在,大阪ガスエネルギー・文化研究所と本研究科とは教育研究協力協定を結んでおり,本講義に支援をいただいている。上記テキストの内容をもとに,今後の地域コミュニティのあり方について,実践家も交え,積極的に意見交換を行っていく。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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