シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2011年度

1G4021 

△物理化学Ⅲ

2単位/Unit  秋学期/Fall  京田辺/Kyotanabe  講義形式

  伊吹 和泰

<概要/Course Content Summary>

 物理化学ⅢおよびⅣでは,分子を構成する原子,原子を構成する電子や原子核の性質に基づいて化学現象を理解するために必要な量子力学の基礎概念を解説するとともに,そのために必要となる工学基礎的な数学および物理について学習する。そのうち物理化学Ⅲでは,シュレディンガー方程式等の量子力学の基礎的事項を知り,必要な数学的取り扱いに習熟し,それに基づいて分子の並進,回転,振動運動の特性を理解することを目標とする。 
 内容の性質上,数式の取扱いに関する部分が多くなるので,授業だけで内容を理解することは不可能である。予習復習を十分に行って授業に臨んで欲しい。また,内容の理解を深めるために,授業の中で演習課題のレポートを課し,必要に応じて小テストを行なう。 
 物理化学Ⅲは,物理化学Ⅳ,有機量子化学,統計力学を修得するための基礎となる。物理化学Ⅲは,物理化学Ⅰ・Ⅱの内容を直接受け継ぐ科目ではないが,物理化学Ⅰ・Ⅱと物理化学Ⅲ・Ⅳの内容の関連は,統計力学で述べられる。物理化学演習Ⅱは,物理化学Ⅲ・Ⅳの内容に関する演習科目であるので,あわせて受講することが望ましい。 
 なお,本科目は,「学習・教育目標 A 工学において基礎となる知識の修得(3)数学および物理学を含む工学基礎」および「学習・教育目標 B 化学分野における専門知識の修得(1)専門基礎」の両方に含まれるので,物理学および一般化学的な基礎事項を学習するとともに物理化学分野の専門基礎も学習する。 

<到達目標/Goals,Aims>

(1)シュレディンガー方程式等の量子力学の基礎的事項が理解できる。 
(2)簡単な微分方程式の解法等の理学・工学に必要な基礎的数学手法を取り扱うことができる。 
(3)量子論に基づいて分子の並進・回転・振動の各運動を計算することができる。 
(4)分子の並進・回転・振動の各運動について量子論と古典論の違いが説明できる。 
(5)分光学に基づいて分子構造を知るための基礎知識が得られる。 

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 数学,物理,化学に関する必要な基礎知識の確認  (授業時間外の学習/ Assignments) 基礎的な数学,物理の再確認・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 古典力学の問題点,物質波  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1章の予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 古典的な波動関数と波動方程式  (授業時間外の学習/ Assignments) Web教材による予習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 古典的な弦の振動,物質波と波動方程式,シュレディンガー方程式  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト2章の予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 一次元の箱の中の粒子  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト3章の予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 量子力学的波動関数と確率,演算子,期待値  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト4章の予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 自由電子モデルによる共役π電子系の分子軌道  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト5章の予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 多次元系,縮退  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト6章の予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 三次元の箱の中の粒子,分子の並進運動  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト6章の予習・復習 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 古典力学と二体問題,二原子分子の回転の古典論  (授業時間外の学習/ Assignments) Web教材による予習 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 二原子分子の振動の古典論  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト7章の予習・復習 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 二原子分子の回転の量子論  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト8章の予習・復習 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 二原子分子の振動の量子論  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト9章の予習・復習 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 分光学の基礎,回転スペクトルと二原子分子の構造  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト10章の予習・復習 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 近赤外吸収スペクトルと二原子分子の構造  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト10章の予習・復習 

上記のほか,レポートを課し,小テストを行う。 
また,上記の計画は目安であり,理解度に応じて進度を調節する。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

期末テスト  80%  具体的内容に対する理解度をチェックする 
平常点  20%  小テスト,web教材による課題,レポート (左記配分は可能な最大値である。詳細は下記コメントを参照すること) 

最終的な理解度が端的に表れる期末テストを重視する。期末テストでは,問題の数,難易度を判断材料にして合格点を決め,それ以上のものを点数に応じてA~C評価とする。期末テストのみで合格点に達しない場合,期末テスト満点の1/4を限度に平常点を加味する。平常点は,授業の進度をみながら必要に応じて小テストやレポートを課して評価する。平常点を加味して合格点に達したものはD評価とする。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
115 1.7 13.0 35.7 37.4 12.2 0.0 1.5 *

<テキスト/Textbook>

機能分子工学科物理化学研究室 編  『量子化学・熱統計力学入門』第1回授業で販売 物理化学Ⅲ,物理化学Ⅳ,物理化学演習Ⅱ,統計力学の4科目共通 

 

<参考文献/Reference Book>

マッカーリ・サイモン 著(千原・江口・斉藤 訳)  『物理化学(上・下)』(東京化学同人)
 

原島 鮮 著  『初等量子力学』(裳華房)
 

大岩 正芳 著  『初等量子化学』(化学同人)
 

<参照URL/URL>

機能分子・生命化学科 物理化学III・IV 
 
 

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