<概要/Course Content Summary>
電気回路学は電気磁気学と並んで電気工学,電子工学の基礎理論である。正弦波(交流)の電圧または電流が定常的に加わっている場合の電気回路内の電圧と電流の状態を複素記号法を用いて解析する方法を学ぶ。将来,研究者や技術者として基礎研究,応用研究,開発研究を行うに際し,理論を自在に活用し問題を解決できる十分な実力を涵養することを目標としている。 〔授業のねらいと評価〕 本講義の目標は知識の集積ではなく基礎理論の理解とその自在な活用力を身につけることである。週3講時の講義時間のうち2講時分が理解を補う講義を含む演習の時間である。演習を通して理論の理解と応用能力の涵養を行うのがこの講義の特色である。演習の実施方法と内容,時間配分は講義の進度,受講者の理解度に応じて講義内に組み込まれる。授業計画の3講時分が1週間の授業内容を示し,そのうちの2講時分の時間がほぼ演習時間に相当する。例えば毎講時に講義と演習を実施する場合,週3講時のうち1講時分で講義を行い,他2講時分は演習のみを実施する場合,またはこれらの併用組み合わせで実施する場合等の方法で講義と演習を進めて行く。講義内容の配列は講義の第1講時に説明する。(配列は学科または担当者によって異なる場合がある。また電気回路学Ⅰ,Ⅱの内容は電気基礎実験Ⅰ,Ⅱおよび電気計測Ⅰ,Ⅱの内容と密接に関連し,相互に補い,基礎理論を確実に理解できる様に配慮している。
<到達目標/Goals,Aims>
・講義を通して,電気回路学の基礎理論が理解できるようになる。 ・演習を通して,電気回路学の基礎理論を自在に活用できるようになる。 ・将来,研究者や技術者として電気回路に関連した開発や研究を行うに際し,理論を自在に活用し問題を解決できる十分な実力が養われる。
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(実施回/ Week)
6~9講時分
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(内容/ Contents)
直流回路の解析(第1章):Ohmの法則,Kirchhoffの法則,電源(定電圧源,定電流源),Theveninの定理,Nortonの定理,等価電源回路,回路方程式(閉路方程式と節点方程式),電力,最大電力の供給,基本的な直流回路の解析(直列接続,並列接続,分圧,分流,T形回路,π形回路,はしご形回路,ブリッジ回路,・・・),重ねの理,相反定理
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
6~9講時分
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(内容/ Contents)
電気回路における振動現象(第2章):回路素子と電圧,電流の関係。キルヒホッフの法則と回路方程式,回路方程式(微分方程式)の解とその性質(過渡解と定常解),RC回路とRL回路における直流電流の投入,正弦波電源の投入と回路方程式の解,正弦波電源と定常解,電気回路と力学振動系との相似性
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
6~9講時分
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(内容/ Contents)
交流回路の基礎(第3章):回路方程式と定常解,複素数の性質,正弦波と複素数,複素記号法による正弦波電圧。電流の表示,インピーダンスとアドミタンスの導入,複素記号法における電力表示,力率
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
12~15講時分
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(内容/ Contents)
回路解析の基礎(第4,5章):フェーザ図とフェーザの軌跡,円軌跡,1次変換と軌跡,CR回路の周波数応答,CR回路と波形の応答,微分回路,積分回路,LR回路,RLC直列共振回路,並列共振回路,共振の鋭さ,Q値,回路素子の良さ,共振回路の応用(選択性回路,回路素子の測定),交流回路の電力,力率の改善,交流における最大電力の供給(整合),閉路方程式による回路解析,節点方程式による回路解析
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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<成績評価基準/Evaluation Criteria>
平常点(演習(小テスト),レポート,質疑応答など)
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特記事項を参照 電気工学および電子工学の分野における専門家として必要不可欠な基礎理論の理解度および応用力の修得度について評価する。講義と演習には全出席を前提としている。演習成績と学期末試験の評価については下記の特記事項を参照。
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期末筆記試験
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特記事項を参照 学期末において履修した全範囲にわたって最終的に到達できた基礎理論の理解度と応用力の修得度を確認するために実施する。最終成績は演習と期末筆記試験を総合して評価する。下記の特記事項を参照。
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特記事項
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週3講時分の内容と時間配分は,講義が1講時分,演習(試験形式の小テスト)等が2講時分である。毎回講義と演習の両方を実施する方法もある。1セメスター42講時(63時間)のうち,3分の2(42時間)を演習等に充てることが基準になっている。12~24回程度実施する演習の成績と期末試験を総合して最終成績の評価を行なう。演習成績と期末試験成績を単純に平均し評価する方法もあるが,演習や期末試験の難易度に応じて荷重平均を行うのが普通である。演習成績についても学期の当初から学期末にかけての内容の重要性や難易度は同じではないので,これらを考慮して加重評価も行われる。成績評価の詳細は学生の理解度,講義の方法,演習回数に対応して行なう。レポートの内容,質疑応答なども評価の対象となる。
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<成績評価結果/Results of assessment>
成績評価の見方について/Notes for assessment
登録者数 |
成績評価(%) |
評点 平均値 |
備考
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A |
B |
C |
D |
F |
他 |
76 |
3.9 |
19.7 |
22.4 |
34.2 |
19.7 |
0.0 |
1.5 |
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<テキスト/Textbook>
大谷・雨谷・藤田 共著 『電気回路学』 (昭晃堂)
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