<概要/Course Content Summary>
考古学や人類学などの領域において,物質文化(マテリアル・カルチャー)論は,以前より重要な方法論として存在してきた。文献を資料とする歴史学とは違って,それらの分野は,過去の遺品や,異文化において使われた物品など——すなわち「モノ」——を第一次資料として,研究の対象としてきた。たとえば現代人が使っているさまざまなモノも,また物質文化として研究対象となりうるのである。 美術史という研究領域も,絵画や彫刻といった「モノ」を研究対象/第一次資料として扱ってきた。ところが,美術作品——とくに絵画などの平面作品——は,実際に重みも厚みも具えたモノであるにもかかわらず,美術史においては,視覚的な側面のみが強調される傾向にある。これは,美術史にその源の一つを持つ視覚文化論(ヴィジュアル・カルチャー・スタディーズ)もまた陥りやすい陥穽である。とはいえ,モノやイメージの物質性と視覚性はお互い排除しあうものではない。たとえば絵画は物質性を具えるし,また陶器も視覚性を具えるのである。したがって,視覚文化論と物質文化論は,互いに補完しあう研究領域であると考えられよう。 本講読では,論集『写真・モノ・歴史(Photographs, Objects, Histories)』を講読文献として採りあげて,視覚イメージにおける物質性の問題を考えていきたい。
<到達目標/Goals,Aims>
・視覚文化論/物質文化論という研究動向について概略を知ることができるようになる
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(実施回/ Week)
1
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(内容/ Contents)
イントロダクション:視覚文化と物質文化
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
2
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(内容/ Contents)
文化概念の変容:意味作用の実践
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
3
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(内容/ Contents)
視覚と触覚:痕跡とイメージ
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
4
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(内容/ Contents)
モノとコンテクスト
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
5~15
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(内容/ Contents)
講読:受講者による翻訳の口頭発表
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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<成績評価基準/Evaluation Criteria>
平常点
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50%
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出席および文献の翻訳を口頭発表。
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期末レポート試験
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50%
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<成績評価結果/Results of assessment>
成績評価の見方について/Notes for assessment
登録者数 |
成績評価(%) |
評点 平均値 |
備考
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A |
B |
C |
D |
F |
他 |
24 |
50.0 |
29.2 |
0.0 |
0.0 |
20.8 |
0.0 |
2.9 |
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<テキスト/Textbook>
Elizabeth Edwards and Janice Hart, eds.
, Photographs, Objects, Histories
:
On the Materiality of Images
.
(Routledge, 2004)
.
テキストは類書に変更する可能性もある。
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テキストは類書に変更する可能性もある。
<参考文献/Reference Book>
受講者は前もって,以上の文献に,できる限り目を通しておくことが望ましい。
<参照URL/URL>
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