| |||
シラバス・講義概要 | |||
2009年度 37583-001 ○政治データ分析−1 2単位 春学期 京田辺
<概要> テレビや新聞・雑誌の最近のニュースでは,世論調査データなどの統計的な数字が多く登場します。一般的な国民がどのように今の政治状況を見ているかは,みんなの関心事です。そればかりか,たとえば,重要法案の改正が国会で議論させれているとき,国民のどれだけの人が改正に肯定的なのか,あるいは消極的なのか,その実態を正しく把握することはたいへん重要なことだといえます。ですから,いきおい世論調査の「数字」が画面や紙面をにぎわすのです。 ところが,この「数字」ですが,専門家の私からすると,ずいぶん「怪しげ」なものも多いのが実態です。「街角の100人に聞きました」や「スタジオの100人に聞きました」のたぐいの「数字」は,とくに要注意です。比較的信頼できる新聞などに登場する「数字」でも,そのデータの取り方や解釈に疑問を感じるものもけっこう多いものです。 この授業は,調査データの収集からその分析までの基本的な流れを体験してもらうことで,データ分析の有効性を感じてもらうことを目的としています。そして,同時に,氾濫するデータと賢く付き合うセンスを身につけてもらいたいと思っています。 そもそもデータ分析の技術と手法は,アメリカを中心に発展した行動科学(あるいは,実証科学)として飛躍的に発展してきました。そこでは,社会現象をできるだけ「科学的」に分析することで,原因と結果との因果関係として人間の社会・政治行動を説明・理解する努力がなされてきました。 科学的な分析手法がもっとも厳密に応用されているのは,当然のことながら自然科学の分野です。ある現象に影響があると考えられる要因を抽出し,それ以外の条件を一定に保ちながら,その要因(原因)の変化が問題となっている現象(結果)に規則的な変化をもたらすかを実験・観察することで,両者の因果関係を立証するのです。 ところが,人間の社会行動や政治行動は,自然科学の場合とは違い,厳密な意味での実験の対象とするのはなかなかできません。「その他の条件を一定に保つ」ことができないからです。そこで用いられる方法の1つが,ここで紹介する統計的アプローチです。少数の個人を対象にしていては法則性が見いだせなくても,ある程度調査分析の対象を量的に増やすことで,関心のある事象とそれに影響を与えると考えられる要因との間に規則性を見いだすことができるようになるばあいがあります。そういった分析の方法を「体験」してもらいたいと思います。 「統計」という言葉を聞くと,おっくうに思う人があるかもしれません。この授業では,数式はできる限り使わないように務めます。ですから,「数学は苦手」などとは言っていないで,ぜひ,チャレンジしてください。 授業での配布資料などは私のホームページ(http://ynishiza.doshisha.ac.jp/)からアクセスできるようにします。また,連絡事項なども掲示しますので,定期的にホームページを確認するようにしてください。 なお,30名の履修制限がありますので,先行登録が必要です。注意してください。
<授業計画> 週ごとの課題など,詳細はHPに掲載しています。 A.データ分析入門
B.データ分析の実践
<成績評価基準> ・出席 特に出欠はとりません。ただし,実習の積み重ねですから,欠席はできないと考えてください。・課題(成績の100%)全部で6個の「課題」を予定しています。 <成績評価結果> 成績評価の見方について 37583-001 政治データ分析-1
<テキスト> なし。
<参考文献> 西澤 由隆「地方選挙における投票率:合理的有権者の投票行動」『都市問題』(1991年10月号)。
|
|
お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
|
Doshisha Univ. Electronic Tutorial system |
Copyright(C) Doshisha University All Rights Reserved. 無断転載を禁止します。 |